研究課題/領域番号 |
09J04740
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
豊田 丈典 東京大学, 地震研究所, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2010年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 氷衛星 / エウロパ / 火星 / 粒状体 / 熱伝導率 / 熱慣性 / 粒状 |
研究概要 |
2011年度の研究成果は、昨年度までに構築した実験系を用いて「微細粒子層の熱慣性を定量し、惑星表面の熱物性に関する新たな知見を得た」という点に集約される。以下、詳細を報告する。私の研究課題「氷衛星表面に対する新たな年代決定手法の開発」には、衛星表面の粒子層の熱物性がどのように決まるか、定量的に理解することが必要である。粒子層の熱伝導率を実験的に定量する研究は多い[例えばPresley and Christensen,1997 ; 2006;2010 ; Huetter et al.,2008]が、熱慣性を測定した研究は稀である。しかしながら、惑星表面の温度変化に熱慣性は大きな影響を与えるため、熱慣性を直接定量する事が重要である。 私は、昨年度までに構築した真空実験装置を用いて、火星のような低圧環境下において微細粒子層の熱慣性を定量した。その結果、直径100μm以下の粒子層の熱慣性は、先行研究による推定より大きな値になる事を発見した。これは、従来の惑星科学上の常識に修正を迫る結果である。惑星表層を覆う粒子層の熱慣性の値から、惑星表面の地質を解釈する先行研究は多くあるが、本研究の結果はこれらの解釈に新たな制約を加えるものである。 私はこの成果を中心とした博士論文を執筆し、審査を受けた結果、3月22日をもって博士(理学)の学位を授与される事が決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度開発した実験装置や手法を発展させながら、着実に成果を積み上げた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は採用の最終年度となり、一定の区切りを迎えることとなった。成果は研究代表者の博士論文として公開される予定である。研究代表者が民間企業に就職するため、本研究の設備やノウハウは共同研究者に引き継がれる予定である。
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