研究課題/領域番号 |
10041003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村田 翼夫 筑波大学, 教育学系, 教授 (10000085)
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研究分担者 |
田島 久歳 城西国際大学, 人文学部, 助教授 (00245325)
江原 裕美 帝京大学, 法学部, 助教授 (40232970)
中川 文雄 城西国際大学, 人文学部, 教授 (30014484)
山脇 千賀子 (田島 千賀子) 文教大学, 国際学部, 講師 (40302343)
西井 麻美 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 講師 (90218107)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1999年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1998年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 帰国児童生徒 / 異文化間教育 / 日系人 / ブラジル / ペルー / 多文化 / 適応・不適応 / アイデンティティ / 子ども / 適応 |
研究概要 |
(1)現地調査 1998年7月末から9月中旬、1999年には8月初旬から9月初旬まで、ペルーとブラジルにおいて現地調査を行った。調査は、日本に在住して教育を受けた後、帰国した児童生徒ばかりでなく、ブラジルの学校教師、彼等の親、地域住民を対象とし、彼等の適応・不適応の状況に関する比較研究を試みた。調査方法は観察、インタビュー、アンケート調査によった。 主な調査項目は次の通りであった。1)ブラジル、ペルーの一般的教育制度と通信教育制度、2)ブラジル、ペルーのデカセギ者をめぐる歴史的経緯、3)学校教育における帰国児童生徒の学力・態度・モラルと適応の変遷、4)帰国児童生徒の保護者の教育観、5)帰国児童生徒の適応パターンと家族の役割、6)地域別の日系人社会が形成する地域文化のなかでの帰国児童生徒、7)帰国児童生徒の日本語・日本文化に関する教育状況、8)地域社会における学校外での教育活動。 (2)調査結果と研究成果報告書 それぞれの項目に対する詳しい分析は、調査結果の検討会を通じて行い、研究成果報告書にまとめた。 児童生徒が母国に帰って再適応する際の大きな問題として、学校教育では、(1)母語(ポルトガル語とスペイン語)および社会科(歴史・地理)の理解困難 (2)母国の学校へ編入するときの困難性 (3)母国の学校文化への不適応、家庭、社会生活では、(1)両親がそろっていないこと(片親との生活) (2)日系人社会の帰国児童生徒に対する援助が少ないこと、などが判明した。 以上のようなブラジル、ペルーにおける教育・生活の問題点に加えて、日本社会におけるこれからの異文化間教育を進める場合の課題についても触れた。それらは、(1)母語、母国の社会科の学習 (2)多様なアイデンティティの尊重、(3)母国の教科を学習できる通信教育や母国教育の支援、(4)外国人と日本人が学び会う異文化聞 教育の促進、(5)親の日本の教育に対する理解の促進など、であった。 こうして外国人児童生徒の教育を考察するための貴重な基礎資料を提供した。
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