研究課題/領域番号 |
10044072
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
阿久津 秀雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60029965)
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研究分担者 |
小澤 潔 横浜国立大学, 工学部, 助手 (20251770)
藤原 敏道 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (20242381)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | Cgb C_3 / 4ヘムタンパク質 / 大量発現系 / 酸化還元電位 / NMR / 電子移動 / 電子伝達タンパク質 / シトクロム / Cgf C_3 / CgbC_3 / チヘムタンパク質 |
研究概要 |
Shewanella putrefaciensはさまざまな重金属を電子受容体として生活できる特異なバクテリアである。92残基のアミノ酸からなる4ヘムタンパク質(チトクロムc_3)はこのバクテリアが持つ電子伝達タンパク質の一つである。これは現在までに報告されているものでは最も分子量の小さい4ヘムタンパク質であり、ヘム密度は著しく高い。昨年度と今年度のNealson教授らとの共同研究でその酸化還元性質をかなり明らかにすることができた。まず、分子間電子移動速度は遅いが分子内電子移動速度は速いのは硫酸還元菌のチトクロムc_3と同じである。3つのヘムには主たる還元ステップが一応あるといえるが、1つのヘムには特に大きな還元ステップが見られない。相互作用ポテンシャルも正の値、負の値ともに著しく大きなものがあった。これらの事柄はヘム-Hisイミダゾール環-Phe側鎖芳香環の3つがスタッキングしている特殊なヘムの存在によるものかも知れない。完全還元状態でのヘムプロトンの帰属をおこなったことで、中間還元状態では確認できなかったS_4における全てのヘムメチルシグナルを知ることができた。これにより微視的酸化還元電位を決定する上で重要なパラメーターである還元率がより正確に算出された。興味深いことは、通性嫌気性菌であるS.putrefaciens菌体内にチトクロムc_3が存在し、チトクロムc_3の酸化還元電位が低いことである。重金属を電子受容体として利用した呼吸を行えるS.putrefaciensの電子伝達系の特性は、このようなチトクロムc_3の酸化還元挙動によるのであろう。また、c型チトクロムを多く持つこのShewanella putrefaciensを宿主にして硫酸還元菌Desulfovibrio vulgaris Miyazaki F株のチトクロムc_3(107残基)遺伝子の発現系をつくることに成功した。
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