配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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研究概要 |
本研究は,胸腺微小環境形成のメカニズムについてオランダロッテルダムエラスムス大学van Ewijkのグループと共同研究を行ったものである.具体的にはマウス胎仔胸腺(FT)をデオキシグアノシン(dGuo)で処理したもの(dGuo-FT)へ前駆細胞を1個だけ移入する実験法によって、微小環境の形成にはT前駆細胞の存在が不可欠であり,B前駆細胞やミエロイド前駆細胞ではその機能を代行できないことを明らかにした.第1および第2年度ではT前駆細胞として正常マウスのものを用いていたので,T系列細胞のどの分化段階のものが微小環境形成に作用しているのかわからなかった.第3年度に至って,T細胞抗原レセプター(TCR)遺伝子の再構成ができずCD44^-CD25^+の段階で分化が停止するRag2^<-/->マウスのFT前駆細胞を用いて同様の研究を行った.その結果,Rag2^<-/->FT前駆細胞でも正常前駆細胞と同じく微小環境を形成する機能を有していることが明らかとなった.すなわち,微小環境の形成には成熟T細胞は必要でないことが示された. FT細胞を上皮/ストローマ細胞とT系列細胞に分画して,いくつかの遺伝子の発現をRT-PCRによって解析した.Notch1,Notch2,Jagged1,Jagged2は上皮およびT系列の両方に発現されていた.VCAM1,FGFは上皮側に発現されていた.これらの遺伝子の発現において,上皮/ストローマ細胞とT系列細胞との相互作用がどのようにかかわっているかという点について検討を始めている.
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