研究課題/領域番号 |
10450074
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
黒川 淳一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40017976)
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研究分担者 |
今村 博 横浜国立大学, 工学部, 助手 (30303077)
松井 純 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40251756)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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キーワード | 小水力エネルギー / 貫流水車 / 低落差・低流量特性 / 簡素化 / 無拘束速度 / 空気室 / 流体機械 / クロスフロー水車 / 変落差・変流量特性 / マイクロ水力エネルギ |
研究概要 |
本研究は小水力エネルギーの多目的利用法を提案し、各利用目的に最も適した高効率エネルギー回収システムおよび運転制御法を基礎的に研究することにより、小水力エネルギーの高効率利用法を総合的に提案しようとするものである。 平成10年度および11年度の研究・調査により、中〜低落差で得られる小水力エネルギー資源の分散型エネルギーとしての高効率利用に対しては、構造がシンプルで安価なクロスフロー水車が適当と判断し、実験的研究を行った。種々の落差と流量の組み合わせに対する性能を総合的に検討し、さらに比較的未開な地での分散型エネルギーとしての利用を考慮して、構造の単純化を目指し、ガイドベーンを除去するなどして流路形状を簡素化して変落差・変流量特性について実験的に調べた.その結果、落差で無次元化された回転数に対して、各運転状態における効率は1本の包絡線上に乗り、最適な無次元回転数が存在することを見いだした。また、ランナ室内の流れ場を調べ、変流量・変落差における流動状態を解明し、更に多目的利用に応じて要求される電力や動力の質の点から、変落差・変流量時の発電特性に最も適合した運転制御法を検討するための発電システム全体の最適化を目指した。 平成12年度は、ガイドベーンを除去したことにより無負荷運転時に生じる無拘束速度について調べ、またランナ室への空気供給法を従来よりも簡素化して、ランナ軸付近から供給すると同時に、ランナ室をコンパクト化して、システムの効率向上を目指した。ランナ室の形状は数値計算を用いて最適形状を検討した。その結果、ランナ中心から空気を供給しコンパクト化されたランナ室を用いることにより、従来よりも最高効率で約1.3%、高回転数側では最大9%もの効率上昇を達成した。 更に、落差変動が大きいマイクロ水力資源の有効利用を目指して、汎用のインバータやコンバータを用いた安価で実用的な可変速マイクロ水力発電システムの開発を行った。分散型独立電源を想定した、同期発電機を用いた単独運転の場合と、かご型誘導発電機を用いて電力系統に連系する場合に分けて検討を行い、構築したシステムの有効性を実験により検証するとともに、簡素化に成功した低落差貫流水車の変落差特性を明らかにした。 以上の結果から、本研究により小水力エネルギー高効率利用のための新しいシステム構成が提案されその有効性が実証された。
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