配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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研究概要 |
南町田(郊外住宅地),平塚市内(低層市街地),高浜台(海岸),台場(海岸),越中島(市街地),南千住(高密度住宅地)において,常時2ヶ所以上でドップラソーダを用いた強風観測を継続実施した。並行して,ドップラソーダによる平均風速観測方法,乱れの強さ観測方法,高度補正手法,騒音による誤差評価手法等,ドップラソーダを用いた風観測手法についても詳細に検討し,測定精度向上を図った。高浜台-南町田間,高浜台-平塚市内,お台場-越中島-南先住などの組合せにより,従来殆ど資料のなかった粗度上を吹走する風による高度500m程度までの大気境界層の発達に関する貴重な資料を得た。また,高浜台-平塚市内間,およびお台場-越中島-南千住間を幾何学的に模擬した模型粗度上の気流に関する風洞実験を大小2種類の境界層風洞を用いて行い,物理モデルによる境界層の発達と実測結果の対応を吟味した。さらに,高浜台-平塚市内間,お台場-越中島-南千住間の建物情報データベースから,建物による地表面の凹凸に関する数値モデルをコンピュータ内に再現し,流体解析コード(k-εモデル)を用いて数値解析を行い,平均風速および乱れの空間分布を検討した。これらの結果と実測結果を比較し,風洞実験手法や数値解析手法の妥当性および適用限界を検討した。 以上,地表面の粗度状態の異なる多地点において,ドップラソーダを用いた2地点同時観測を3年間継続し,得られた実測結果,風洞実験結果,数値解析結果を総合的に評価し,地表面付近から上空500m程度までの強風の構造を明らかにした。従来の1地点における観測鉄塔等の観測ではなし得なかった多くの貴重な成果が提供され,地表面粗度に応じた設計風速評価手法の確立に多大の貢献ができたと確信する。
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