研究課題/領域番号 |
10460089
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
飯田 貴次 宮崎大学, 農学部, 教授 (70159557)
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研究分担者 |
酒井 正博 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20178536)
延東 真 (延頭 真) 宮崎大学, 農学部, 助教授 (80128355)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ホルモン / 神経伝達物質 / ストレス / 好中球 / 頭腎食細胞 / 活性酸素 / 貧食活性 / 好酸性顆粒球 / コルチゾール / アドレナリン / βエンドルフィン / テラピア / 貪食活性 |
研究概要 |
大小のテラピアを一つの水槽に入れると社会的順位が形成され、ストレスホルモンであるコルチゾールが下位の魚で上昇し、鰾から得られた好中球の生体防御活性(活性酸素産生、貧食)が有意に低下していた。コルチゾールを含む培養液で好中球を培養すると、好中球の生体防御活性は濃度依存的に抑制され、ストレスを受けている魚の好中球生体防御活性の低下はコルチゾールによる直接的影響と考えられた。テラピア組織常在性好酸性顆粒球もコルチゾールにより脱顆粒が濃度依存的に抑制された。この好酸性顆粒球の顆粒内には好中球遊走因子が含まれることから、ストレス時に炎症部位への好中球の遊走が低下するのは、ストレスによる好酸性顆粒球活性の抑制によると考えられる。 ストレス時に脳下垂体から放出されるβエンドルフィンはin vivoでニジマス頭腎食細胞の活性を上昇し、in vitroでもニジマスおよびコイの頭腎食細胞の活性を上昇させた。ストレス時に放出されるホルモンには、食細胞の活性を上昇させる作用を持つものがあることが明らかとなった。 神経伝達物質であるアドレナリンをin vitroでテラピア好中球に感作すると、生体防御活性を抑制することが明らかとなった。しかし、アドレナリンの拮抗剤であるプロプラノロールを含む培養液で培養後、その培養液にアドレナリンを加えてもテラピア好中球活性酸素産生能に対するアドレナリンの抑制作用は認められなかった。このことより、テラピア好中球の細胞表面にはβレセプターが存在し、アドレナリンによる活性酸素産生能の抑制はβレセプターを介して起こると考えられた。アドレナリン以外にも、神経伝達物質であるセロトニンはテラピア好中球の活性酸素産生能を有意に抑制し、魚類好中球の生体防御活性の調節に神経系が関与していることがより明らかとなった。
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