研究課題/領域番号 |
10470193
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
渋谷 均 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (10014292)
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研究分担者 |
福田 穂積 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 助手 (60282753)
吉村 亮一 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 助手 (40302864)
三浦 雅彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10272600)
姫野 佳郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50238325)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | restenosis / PCNA / smooth muscle cells / ionizing radiation / smooth muscle cell |
研究概要 |
最近、抹消動脈のPTA直後に、拡張した部位の動脈内膜を血管内側から放射線照射することによって、内膜の増殖による再狭窄を防止するという試みが、合衆国を中心に始まっている。本研究は、血管疾患を持つ患者に対して有望と考えられる新しい治療法の様式を確立するための基礎的データを得ることを目的として行なわれた。既に、血管再狭窄の原因は、平滑筋細胞の増殖による血管内膜の肥厚であり、放射線照射がその増殖を抑制することによって内膜の肥厚が抑えられることが明らかにされているので、ヒト培養血管平滑筋細胞を用いて実験を行なった。まず、放射線照射による平滑筋細胞のアポトーシス誘導が、増殖抑制の一因となっているかを調べたところ、アポトーシスを引き起こす際に活性化されるFas関連因子並びに下流のカスパーゼ活性は認められなかったことから、アポトーシスは、この機構において重要ではないことが明らかにされた。また、平滑筋細胞の抗アポトーシス能の一因として、PCNA依存性DNA修復が関与している可能性が、DNAポリメラーゼβ遺伝子ノックアウト細胞の解析から示唆された。さらに、臨床データとして、血管損傷の結果として起こると考えられる舌癌小線源治療時の下顎骨壊死の発生と下顎歯肉表面での吸収線量との関係を解析し、晩期反応組織のα/β比を用いたbiological effective dose(BED)が最も相関が高いことが判明し、このことは、血管内照射の効果を放射線生物学的に考える上で重要なデータとなりうるものと考えられる。
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