研究課題/領域番号 |
10470286
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
高田 義章 (2000) 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00216665)
平川 公義 (1998-1999) 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00010166)
|
研究分担者 |
太田 禎久 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 助手 (70311652)
青柳 傑 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 講師 (40134704)
濱田 洋文 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00189614)
山本 信二 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10322083)
高田 義章 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00216665)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2000年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1999年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
|
キーワード | 遺伝子治療 / アデノウィルスベクター / 脳腫瘍 / アポトーシス / ブロテアソーム / p53 / 変異アデノウィルスベクター / 耐性 / アボトーシス / 悪性神経膠腫 / アデノウイルス / F / K20 fiber mutant adenovirus / 抗アポトーシス因子 / 悪性髄膜腫 / アデノウイルスペクター |
研究概要 |
遺伝子治療の臨床治験では主にアデノウイルスが使用されている。我々はこのベクターにp53遺伝子を組み込み、悪性神経膠腫の細胞株に使用してみたが、ほとんどの細胞で効果が認められなかった。そこでアポトーシスを誘導できるU373MG株を用いて耐性株、U373RおよびU373RCを樹立した。この耐性株は、U373Rではintegrin avb3とavb5が、U373RCではCARの発現量が親株に比べ有意に低下していた。即ち、この耐性株はベクターに対する受容体の発現が低下することによりアデノウイルスに対して耐性となっていることを証明した。これは、アデノウイルスベクター全体に関わる重要な発見であり、今後、アデノウイルスが頻繁に臨床で使われるようになったとき、このベクター耐性の腫瘍細胞が出てくることが示唆される。一方で、濱田によりアデノウイルスのfiber knob mutantが作られ、これが悪性神経膠腫で非常に有用であることが報告されている。そこでこのアデノウイルスのF/K20を耐性株に使用したところ、顕著に導入効率を上昇させた。更に、このベクターにp53を組み込んたAxCAhp53-F/K20を耐性株に応用したところ、耐性株はアポトーシスを起こすようになった。特にU373RCでは親株同等以上の効果を示し、F/K20がCARと無関係に細胞に取り込まれることを立証した。悪性神経膠腫の活動には、プロテアソームが重要であることを見つけ、その阻害によるアポトーシス誘導の機序を解明した。更に、プロテアソームの役割を利用し、p53の遺伝子治療に応用し、その有用性を証明した。また、共同研究者である濱田のグループからは、アデノウイルスベクターを用い、Fas,NF-kappaB,BAX,caspasesなどを応用した様々な遺伝子治療の基礎実験が行われ、成果を挙げた。 治療実験の一方で悪性腫瘍の生物学的特性を調べこれを治療に応用することも我々の仕事の重要な要素である。転移性脳腫瘍においてgangliosideが脳転移のマーカーに成る得る事を突き止めた。また、他の悪性脳腫瘍の悪性髄膜腫やhemangiopericytomaの悪性進展にはp53の異常が重要であることを見つけ、今後この腫瘍もp53遺伝子治療の対象として考えていくための基礎を築いた。
|