研究課題/領域番号 |
10470341
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
久保 武士 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (20010267)
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研究分担者 |
濱田 洋実 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60261799)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1999年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1998年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 妊娠中毒症 / 多因子遺伝 / 遺伝子多型 / 感受性遺伝子 / plasminogen activator inhibitor-1 / methylenetetrahydrofolate reductase / Nitric Oxide Synthetase |
研究概要 |
本研究は、妊娠中毒症の発症に関与する遺伝素因について分子遺伝学的手法を用いて解析し、特にその感受性遺伝子を同定することを目的に、筑波大学医の倫理特別委員会の承認を受けて行われた。具体的には、その候補となる遺伝子の多型としてmethylenetetrahydrofolate reductase (MTHFR)遺伝子677C/T多型、plasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)遺伝子4G/5G多型、endothelial nitric oxide synthase遺伝子894G/T多型および-786T/C多型、angiotensinogen遺伝子-6G/A多型、凝固第V因子遺伝子1691G/A多型、prothrombin遺伝子20210G/A多型について、妊娠中毒症群およびコントロール群について分析した。なお、検体の採血は、文書によるインフォームド・コンセントを得てから行われた。 解析の結果、このうちPAI-1遺伝子4G/5G多型の4G/4Gホモ接合型の頻度および4G対立遺伝子の頻度が、コントロール群と比較して、妊娠中毒症群では有意に増加していることが認められた。このことより、PAI-1遺伝子4G/5G多型4G対立遺伝子が妊娠中毒症の感受性遺伝子であることが初めてあきらかとなった。PAI-1遺伝子4G/5G多型4G対立遺伝子によるPAI-1活性増強による血栓形成傾向が、妊娠中毒症の病態発生に関連していることが推測された。また、MTHFR遺伝子677C/T多型T対立遺伝子が妊娠中毒症の感受性遺伝子であることは以前の研究で我々が指摘していたが、それを再確認する成果も得ることができた。 本研究により、妊娠中毒症の発症に関与する遺伝素因についての新たな知見を得ることができ、きわめて意義のある研究成果が得られたといえる。今後さらに研究を重ね、妊娠中毒症の病態解明に努力していきたいと考えている。
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