研究課題/領域番号 |
10555335
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 神戸大学 (1999-2000) 大阪大学 (1998) |
研究代表者 |
田川 雅人 神戸大学, 工学部, 助教授 (10216806)
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研究分担者 |
太田 斉 三菱電機, 先端技術研究所, 主幹(研究職)
大前 伸夫 神戸大学, 工学部, 教授 (60029345)
志村 考功 (志村 孝功) 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90252600)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 低地球軌道 / 原子状酸素 / 二硫化モリブデン / マイクロサテライト / トライボロジー / 宇宙環境 / 固体潤滑剤 / 地上試験 / ダイヤモンドライクカーボン / 酸化 / 摩擦 / 表面反応 |
研究概要 |
本研究は宇宙開発におけるトレンドであるマイクロサテライトに与える5eV原子状酸素照射の影響を評価するために、原子状酸素を照射した二硫化モリブデン単結晶およびスパッタ膜のトライボロジー特性の評価法を確立するとともに、二硫化モリブデンスパッタ膜のマイクロトライボロジー特性の評価を行ったものである。これまで二硫化モリブデンのスパッタ膜を試料としたマクロトライボロジーの実験結果では、数回の摩擦により酸化物層(MoOx)が表面から除去されるため、大きな初期摩擦力を記録した後に原子状酸素照射前の定常状態に回復する現象が観察されていた。しかしながら、この現象には摩擦トラック形成の掘起し効果が重畳されるため、これまで厳密な計測は困難であった。本研究ではトライボロジー特性のin-situ測定を行うこと似より、この問題を解決し、二硫化モリブデンに対する原子状酸素の効果を初めて明らかにできた。実験の結果からは、摩擦係数はスタートアップ時においても定常状態においても原子状酸素照射量に比例して増加してゆくことが観察され、フルーエンス依存症があることが初めて示された。1x10^<18>atoms/cm^2の原子状酸素を照射した後には、初期摩擦力は定常状態における摩擦力の2.5倍の値を示し、二硫化モリブデンスパッタ膜に対しては原子状酸素照射の影響が極めて大きいことがわかった。その原因は、硫黄原子がSOとして表面から脱離し失われること、モリブデンは酸化しMoO_3を形成するためであることが確認された。また、有機バインダーとして用いられるポリイミドについては原子状酸素照射後には大気曝露することで、酸化状態からの回復効果が生ずることが確認され、ポストプロセスでの評価には限界があることが示された。
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