研究課題/領域番号 |
10556011
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
植物保護
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
眞山 滋志 神戸大学, 農学部, 教授 (00112251)
|
研究分担者 |
土佐 幸雄 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (20172158)
中屋敷 均 神戸大学, 農学部, 助手 (50252804)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
|
キーワード | いもち病菌 / Magnaporthe grisea / レース / DNAフィンガープリント |
研究概要 |
まず、日本におけるイネいもち病菌の個体群構造を明らかにするため、LTRレトロトランスポゾンMAGGYおよびDNA型トランスポゾンMGR586を用いてDNAフィンガープリント解析を行ったところ、現在の日本におけるイネいもち病菌集団はわずか2つのLineage(JL1,JL2)より構成されていること、日本のイネいもち病菌集団の構造は過去40年間の間に大きく変化したことが示唆された。一方、各Lineageに属する菌糸のイネ判別品種に対する病原性を調べたところ、Lineageとレースの間に関連は認められなかった。つぎに、ベトナムの主要な2つの稲作地帯、Red River delta(北部)およびMekong River delta(南部)から採集したイネいもち病菌計80菌系を用いて、両地域におけるいもち病菌個体群構造を比較検討したところ、遺伝的にも病原性においても両個体群の構造は大きく異なることが示唆された。一方、これらベトナム産イネいもち病菌集団においても、Lineageとレースの間には関連は認められなかった。以上のことから、DNAfingerprintingはいもち病菌集団の個体群構造・動態の把握にきわめて有用であるが、レース同定に利用するのは困難であることが示唆された。 さらに、いもち病菌宿主特異的菌群のDNA診断法の開発を試みた。さまざまな反復配列および制限酵素を用いてフィンガープリント解析を行ったところ、次のような組み合わせが有効であることが明らかとなった。(1)各菌群を区別するために:HindIII+MGR583、(2)イネ菌とアワ菌を特異的に判別するために:SalI+MAGGY、(3)コムギ菌を特異的に判別するために:EcoRV+MGR583、(4)メヒシバ菌を特異的に判別するために:HindIII+Pot2。本法を用いて本研究室保存菌の菌群判別を行ったところ、本法の信頼性がきわめて高いことが判明した。
|