研究課題/領域番号 |
10557089
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
海老沢 尚 (海老澤 尚) 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00201369)
|
研究分担者 |
岩瀬 利郎 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80306307)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
|
キーワード | 睡眠相後退症候群 / 非24時間睡眠覚醒症候群 / 生体時計関連遺伝子 / 遺伝子多型 / 治療法 / 概日リズム / メラトニン受容体 / 点突然変異 / 時計遺伝子 / 睡眠覚醒障害 / 概日リズム障害 / メラニン受容体 / 遺伝子変異 / 生体時計 |
研究概要 |
ヒト全ゲノムのdraft sequenceが発表され、今後はその情報を用いた、生命科学・医療の分野での飛躍的進歩が予想されている。脳研究の発展や、原因究明・根本的治療法の開発が遅れていた精神疾患研究での大きな進展が期待されている。概日リズムは脳機能の一つであるが、哺乳動物の場合も時計遺伝子の多型が概日リズムの異常に結びつくことが明らかとなり、ヒトの概日リズム障害やその個体差も遺伝子の多型に基づくのではないかと考えられた。 そこで我々は、概日リズム障害を対象に、生体時計関連遺伝子の多型の有無を探っている。既にメラトニン1A,1B受容体遺伝子については解析を終了し、それぞれから複数の変異を見いだし、1A受容体のR54W変異はコントロール群に比べて非24時間睡眠覚醒症候群で約3倍の頻度で見られることを報告した。 今年度我々は、ショウジョウバエの時計遺伝子Perのヒトhomologの一つであるPer3遺伝子、及び哺乳動物から初めて発見された時計遺伝子であるClock遺伝子の変異を解析した。 Per3遺伝子の翻訳領域全長にわたって変異を検出・同定したところ、計20カ所の変異を検出し、うち6つはアミノ酸の置換を伴う変異(ミスセンス変異)であることを見いだした。うち5つのミスセンス変異は互いに連鎖不平衡の関係にあり、計4つのハプロタイプを形成していた。うち一つは睡眠相後退症候群で有意に多く見られ、このハプロタイプが疾患発症の危険因子であることが示された(印刷中)。また、Clock遺伝子についてもほぼ解析を終了し、複数の変異を見いだした(投稿準備中)。今後はほかの時計遺伝子についても変異を解析しながら、見いだされた変異が蛋白機能に与える影響を調ベ、概日リズムの病的・生理的個体差が生じる原因を明らかにするとともにその治療法の開発を試みる予定である。
|