研究課題/領域番号 |
10557147
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大道 正英 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10283764)
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研究分担者 |
森重 健一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90283788)
坂田 正博 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10260639)
倉智 博久 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40153366)
山本 敏也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80283787)
池上 博雅 大阪大学, 医学部, 講師 (10184409)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2000年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1998年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | GnRHアゴニスト / シスプラチン / 耐性 / 卵巣癌 / MAP kinase / ERK / JNK / G1期停止 / DNA損傷 / ヒト卵巣癌 / トランスプラチン / c-Jun / 耐性化 / 燐酸化 / GnRH / 増殖抑制 / GnRH受容体 / MEK inhibitor / SOS |
研究概要 |
卵巣癌の予後を改善するために手術、化学療法以外の新たな治療法の開発とそのkey drugであるシスプラチンの耐性化機構を解明する事を目的とした。GnRH受容体が発現しシスプラチン耐性である事を確認したヒト卵巣癌の細胞株Caov-3細胞において、GnRHアゴニストは細胞増殖抑制効果を示した。GnRHアゴニストは下垂体ゴナドトロフ腫瘍細胞では細胞の増殖、分化、ダメージ等の生物反応の種々の現象に関与しているMAP kinase familyの一つであるERKを一過性に活性化するが、Caov-3細胞では持続的に活性化し、さらにGnRHアゴニストはretinoblastoma proteinをリン酸化し細胞周期をG1期に停止させた。また、MAP kinase pathwayの特異的な阻害剤であるMAP kinase kinase(MEK)inhibitor PD98059はGnRHアゴニストによるretinoblastoma proteinリン酸化及び細胞増殖抑制効果を抑制した。以上よりGnRHアゴニストによる持続的なERK活性化は、シスプラチン耐性であるCaov-3細胞をG1期に停止させ抗腫瘍効果を示す事を明らかにした。次に、DNA損傷ならびにアポトーシスのシグナル伝達経路として重要な機能を果たしていると考えられているMAP kinase familyの一つであるJNKが、シスプラチン耐性を示すメカニズムの一端を担っていると報告されている事に着目し、シスプラチン耐性であるヒト卵巣癌の細胞株Caov-3細胞においてJNKがいかなる生理作用を担っているかを検討した。シスプラチンはJNK及びERKを異なったkineticsで活性化し、JNK活性を抑制するためにc-JunのJNKによる燐酸化部分を消失した遺伝子(dominant negative c-Jun)導入もしくはMAP kinase pathwayの特異的な阻害剤であるPD98059投与によりシスプラチン耐性性が解除された。以上より、シスプラチンによるJNK及びERK活性化は耐性獲得に関与している事を明らかにした。
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