研究分担者 |
松本 勉 熊本電波工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (60124145)
上坂 達生 熊本電波工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (30213333)
鹿股 昭雄 仙台電波工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (20044654)
青山 義弘 福井工業高等専門学校, 電子情報工学科, 助手 (40249785)
木村 真也 群馬工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (40214879)
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研究概要 |
平成10年度は,LSI設計教育への導入段階として基礎的なハードウェア教育のための環境整備と教育用テキストの準備,および全国の高専におけるハードウェエア教育の現状と問題点,さらにLSI設計を行うための環境,問題点などをアンケート調査した. ハードウェア教育の環境は,昨年設計した教育用FPGAボードを評価用として10セット購入し,大学や高専のハードウェア教育での利用を検討するために貸与した. 本研究に関する研究会は,豊橋技術科学大学と共同で『高専におけるLSI設計教育高度化』と題して平成11年2月に開催し,各高専の担当者との討論を行った. 平成11年度は,LSI設計教育カリキュラムの試行段階として,HDLを用いた回路設計の講義,演習を行うためのPC環境と教育用テキストの整備を行った. HDLの講義には,PC環境で動作するシミュレータを用いて演習で機能検証を行うことにより,効果的な学習が可能となった. また,教育用テキストは,LSIの概要,HDLの設計,演習から,応用としてのマイクロプロセッサの設計までを解説しており,LSI設計のためのより実践的な回路設計が可能となった. 平成12年度は,昨年作成した教育用テキストを利用して,VHDLによるマイクロプロセッサの設計からFPGAへの実装までの実験を行った. また,最近の組み込みシステムに利用されているLSIは,マイクロプロセッサを中心に周辺回路を含むシステム全体をチップに実装するシステムLSIのため,LSI設計以外のマイクロプロセッサや組み込みソフトウェアの教育,実験が必要である. そこで,パソコンと連携して,組み込みのソフトウェアからハードウェアを設計し評価するための組み込みシステム用FPGAボードを試作した. このようなハードウェア教育は,これまでソフトウェア中心で行ってきているため,全員がLSI設計の教育や実験を行うことは非常に有効である. 研究の結果,LSI設計教育カリキュラムとしては,VHDLによる回路設計の教育,および実際にFPGAへの回路実装の実験を通して,LSI設計のための入門用教育・実験が可能となった.
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