研究分担者 |
辻本 和雄 北陸先端科学技術大学大学院, 材料科学研究科, 教授 (50017414)
松本 正勝 神奈川大学, 理学部, 教授 (10260986)
大橋 守 神奈川大学, 理学部, 教授 (70015535)
藤森 憲 筑波大学, 化学系, 助教授 (90015983)
今井 一洋 東京大学, 薬学系研究科, 教授 (50012620)
前田 昌子 昭和大学, 薬学部, 教授 (00053869)
丹羽 治樹 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20135297)
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研究概要 |
何をどこまで明らかにしたか (1)化学発光機構の解明と複合型増感系の構築:生物・化学発光のエネルギー移動機構の基礎的データを得る目的で,熱および光原子価異性反応を基礎とする化学発光反応系に不斉部を導入し、断熱過程で円偏光を発生する機能集積分子を開発した.ジオキセタンのCIEEL機構の正当性を陰イオン検出マススペクトルで調査したがCIEEL機構の裏付けとなる結果は得られなかった,安定でかつ発光の色調をコントロールできる化学発光系の開発した,ジオキセタンを経由する新規化学発光系の開発と素反応過程の反応速度の決定をした. (2)新規化学発光系の開発:イミダゾピラジノンの新規合成法の開発し,日本化学会の賞を取るに至った. (3)化学発光を用いる超微量分析とその基礎的展開:生体成分の微量分離定量法の開発に必須の検出条件を決めた,アセテートキナーゼの生物発光検出法の確立とイムノアッセイ・ブロッチングアッセイDNAのシークエンスへの応用,活性酸素に於ける化学発光を利用する食品劣化防止,老化防止に資する研究を行った. (4)成果の特徴:分野別で見てみると,有機光化学;天然物化学;生物有機;分析化学;反応化学と広い分野に跨っている.化学・生物発光が,現代化学の総力をあげての研究を必要とする分野であることを物語る.生物発光を化学物質の様々な機能の組み合わせできた系であるとみて,生物発光系に負けない化学発光系を化学物質で人為的に構築した. (5)将来の展望:日本の化学発光の研究は,(故)後藤教授をはじめとする名大グループ,前田のお茶大グループなどで精力的に研究され世界的な研究基盤を構築してきた.国外では米国以外ではあまり研究が行われていない.日本が先導している数少ない化学の分野を,我々の手でさらに発展させた.
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