研究課題/領域番号 |
10670051
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
林田 嘉朗 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (40047204)
|
研究分担者 |
村里 嘉信 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (40291843)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 一酸化窒素 / 直接測定法 / 後肢灌流 / 自然発症高血圧ラット / 内皮細胞由来過分極因子 / アセチルコリン / ブラディキニン / 後肢灌流系 / Aminoguanidine / 後肢潅流 |
研究概要 |
一酸化窒素(NO)は局所循環調節に重要な役割を果たしている一方、NOが関与しない血管平滑筋弛緩があることも報告されている。その実体を明らかにするためには循環動態と同時にNOそのものを特異的に高感度で測定することが不可欠である。この研究ではラットの後肢潅流測定系においてニトロ系皮膜をPt-Irに蒸着した電極または、Malinskiらの電気化学的測定法を用いてNOを特異的かつ高感度に測定するNO研究の標準的な方法論を確立(両方法ともNOの測定感度は0.06μmole以上)し、それを基礎に血管平滑筋弛緩のメカニズムにNOがどの程度関与するかおよびその病態を調べた。 アセチルコリンによる血管弛緩反応は、大動脈系では、NOが主に関与し、細動脈系では、内皮細胞由来過分極因子(EDHF)の役割が重要であると考えられた。低濃度のブラジキニン(BK)による血管弛緩反応は、大動脈、中動脈、細動脈系のいずれでも、L-NMMAにより消失するので、NOが重要な働きをすると考えられたが、細動脈系では、TEA単独でも血管弛緩反応が消失するので、EDHFの関与もあると考えられた。 この研究ではまた4週齢から16週齢の自然発症高血圧ラット(SHR)とその正常対照ラット(WKY)を用い、ノルエピネフリン(NE)投与によるshear stressで遊離するNOを直接測定しながらそのときの血管反応を調べ高血圧発症の経過でNO産生の病熊を調べた。NO代謝産物(NOx)の一日あたり尿中の排泄量はWKYでは16週齢に至るまで徐々に低下していく一方、SHRではすでに4週齢時にWKYより有意に少なく、高血圧発症後の16週齢時には、両群間に差がなくなった。またNE投与によるNO産生量と血管収縮反応の関係はWKYでは、有意な相関関係があったが、SHRでは、相関関係は認められなくなった。この結果から、自然発症高血圧ラットにおいては高血圧発症前から発症した後までshear stressに対する内皮細胞の反応性のNO産生能異常が関与していることが示唆された。
|