研究課題/領域番号 |
10671222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
辻田 和紀 東邦大学, 医学部, 助教授 (60130374)
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研究分担者 |
船橋 公彦 東邦大学, 医学部, 講師 (90297698)
逸見 仁道 東邦大学, 医学部, 助教授 (90165514)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 大腸癌 / 抗hMLH1抗体 / 抗hMSH2抗体 / MSI / 遺伝子異常 / 簡易検索法 / 免疫組織化学的染色法 / 臨床病理学的要因 / hMLH1蛋白 / hMSH2蛋白 / RT-PCR / 臨床病理学要因 |
研究概要 |
家族性非腺腫性大腸癌(HNPCC)の原因遺伝子としてヒトDNAミスマッチ修復(MMR)遺伝子が知られているが、これらのうちhMLH1とhMSH2の遺伝子異常が大半を占め、また、散発性大腸癌でもMMR遺伝子の異常が報告されている。MMR欠損腫瘍細胞は数種の抗癌剤に低レベルの抵抗性を示すことから、腫瘍細胞のmicrosatellite instability (MSI) statusを見極めることは治療方針を立てる上でも重要である。本研究ではhMSH2とhMLH1に着目し、抗体を用いた微量異常検索法およびMSI statusの決定法の確立を主な目的として大腸癌症例102例の解析を行った。 1)MSI statusの検討 散発例90例を対象として16種のmicrosatellite markerを用いて効率的な検索法を検討すると共に各腫瘍のMSI statusを決定した。得られた頻度は欧米の散発性大腸癌で知られている頻度の範囲内であり、本邦においてもMSI陽性腫瘍の出現頻度は約20%程度であると推定された。 2)hMLH1およびhMSH2蛋白発現抑制例の検索 散発症例ではhMLH1蛋白発現抑制例6例とhMSH2蛋白発現抑制例4例を、また、家族性症例でhMSH2蛋白発現抑制例1例を見い出した。MSI陽性症例のうち62.5%でhMSH2ないしhMLH1遺伝子発現に異常があることが分った。 3)遺伝子変化の検索 上記のMMR蛋白発現抑制例全例の当核遺伝子の異常を検索した。その結果、hMSH2発現抑制例2例でframe-shiftおよびnon-sense mutationが見い出された。しかしながら、他の症例ではhMLH1遺伝子のpromoter領域におけるhypermethylationを含め、蛋白発現異常に直接結びつく異常は見い出されていない。 4)臨床病理学的要因の検討 MSI陽性散発性症例について臨床病理学的検討を行ったところ、右側結腸原発・低分化型腺癌・Dukes分類AまたはBなどHNPCC患者でよく見られる特徴を呈していた。 以上が研究年度内に得られた主要な成果であるが、MMR欠損腫瘍の治療方針の検討や選択的薬剤の選定と開発が必要であることなどが今後の課題となった。
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