研究課題/領域番号 |
10672083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
添田 秦司 福岡大学, 薬学部, 助教授 (20078695)
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研究分担者 |
占野 廣司 福岡大学, 薬学部, 教授 (00078693)
小柳 悟 福岡大学, 薬学部, 助手 (60330932)
木原 太郎 福岡大学, 薬学部, 助手 (20289549)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / アポトーシス / セラミド / 線溶系因子 / プロテアーゼインヒビター / 血管新生 / 神経細胞死 / 抗アポトーシス作用 / アストロサイト / 老化 / 線溶抑制因子 / MAPキナーゼ系 / 神経細胞 / 血管 / 線溶制御因子 / 情報伝達因子 / 虚血性心疾患 |
研究概要 |
線溶阻止因子PAI-1は、肥満時には内臓脂肪で多量に発現して血栓形成を助長し、心筋梗塞などを引き起こす。本研究において、血管内皮細胞のPAI-1放出にはセラミド(Cer)情報伝達系が関与することを明らかにした。TNF-αで刺激すると、細胞膜などに局在するスフィンゴミエリナーゼ(SMase)が活性化を受けCerを生じる。生じたCerは、JNK/SAPK経路を活性化し、PAI-1mRNA転写を促進した。Cer生成系には、SMaseを介するもの以外に、Cer合成酵素を介するものがある。薬物で後者の系を促進してCer生成を高めると、このCerは逆に、JNKをdown-regulateし、PAI-1mRNAの発現を抑制した。この結果は、de novo合成Cerで作動する情報伝達系とSMase関与のCer情報伝達系とがクロストークしてPAI-1発現の正負調節を行っている可能性を示唆している。De novo合成系に関しては不明な点が多く、我々は、ウシ肝ミトコンドリアのCer合成酵素精製を行い、その性質を明らかにした。 癌組織の血管新生行為を阻止することは、新しい治療戦略の一つである。血管新生には線溶系が深く関与しており、血管内皮細胞からのPAI-1放出を促進させるような薬物が開発できれば、癌の血管新生を阻止できることも明らかにした。さらに、脳内PAI-1の役割解明へと研究を展開させた。その結果、アストロサイトが多量のPAI-1放出能を有すること、また、このPAI-1放出能を薬物処理で減少させると、神経細胞がアポトーシスを起こすことが判明した。Cer情報伝達系の制御物質探索の一環として、サフラン成分クロシンおよび新規合成スフィンゴミエリン類縁体の神経細胞死抑制作用を検討した。その結果、いずれの化合物にも抗アポトーシス作用があることを発見し、研究を展開中である。
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