研究課題/領域番号 |
10780360
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
川上 純司 甲南大学, 理学部, 講師 (40289012)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 鏡像異性体核酸 / キメラ型核酸 / 熱力学安定性 / 核酸構造 / 機能性核酸 / インビトロ選択 / 核酸-核酸相互作用 / 核酸-蛋白質相互作用 |
研究概要 |
本研究では、(1)天然型核酸の鏡像異性体であるL核酸の合成と、(2)L核酸と天然型のタンパク質あるいは核酸との間の相互作用を定量的に評価することを目的とした。(1)に関しては、出発原料にL-arabinoseを用いて行う合成を予定通り初年度に完了し、L-DNAのホスホロアミダイト体モノマーを得た。このアミダイト体を用いて、通常のD-DNA中にL-DNAを導入した種々のL/Dキメラ型DNAを合成し、(2)を目的とする研究に供した。(2)では、特にL-DNAのアンチセンス核酸としての応用を念頭に置き、検討を行った。まず、L/Dキメラ型DNAとD-DNAとの間で形成される二重鎖を用い、熱力学的安定性を解析した。その結果、キメラ型二重鎖DNAが天然型二重鎖DNAと比較して、ΔΔG°_<37>にして約3.0kcal mol^<-1>の不安定化を示すことと共に、これが主エンタルピーの損失(ΔΔH°にして20〜30kcal mol^<-1>によるものであることを明らかとした。また、塩基部を持たない核酸誘導体を用いた実験結果と併せて、L-DNAは二重鎖中でスタックするため全体構造を大きく変化させず、不安定化の大きさも37℃条件下でアンチセンス効果に影響を及ぼすほどでないことを示すことができた。次に、鏡像異性体核酸と天然由来のタンパク質との相互作用を解析した。タンパク質にはエクソヌクレアーゼ、ポリヌクレオチドキナーゼ、DNAポリメラーゼ等の酵素を用いた。その結果、L-DNAはヌクレアーゼ耐性が高い一方で、リン酸化反応とポリメラーゼ反応の基質となることが明らかとなった。これらの結果から、L-DNAが生体内に導入された際の挙動をシミュレートする事が可能となり、副作用の少ない新規なアンチセンス分子としてL-DNAを応用することが可能であることを示すことができた。これらの結果は、第25回核酸化学シンポジウム、第9回アンチセンスシンポジウム、日本化学会第76および第78春季年会で発表し、またリストに挙げたものの他二編の論文を投稿している。
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