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在庫投資に関する生産平準化機能の条件付き分散モデルによる検出

研究課題

研究課題/領域番号 10873004
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 経済統計学
研究機関広島大学

研究代表者

宜名眞 勇 (宜名真 勇)  広島大学, 経済学部, 教授 (30127758)

研究分担者 馬場 善久  創価大学, 経済学部, 教授 (00181040)
福地 純一郎  広島大学, 経済学部, 助教授 (00274043)
研究期間 (年度) 1998 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード在庫投資 / 在庫ストック / 生産平準化 / 国民所得の決定 / 分散 / ARCH / Great Ratios / 行列指数関数 / 単位根 / 条件付分散 / 均衡成長経路 / 共和分 / 誤差修正モデル / 条件付き分散 / ブートストラップ
研究概要

製造企業にとって在庫ストックを保持する動機の一つは生産量の経時的な流列を、確率的に変動する需要量のそれに比べて滑らかにし、それによって生産費の節減を図ることにあると考えられる。その場合、需要変動に対応した在庫ストックは、需要が企業の予想以上に増大する時には在庫ストック水準が均衡値を下回り、逆に予想以下の水準に落ち込む場合には均衡値以上に増大する、という動きを示すであろう。ただ、在庫の適正水準が販売量に比例すると仮定しうるならばこのような在庫ストックの変動は、やがて需要量の変動を上回る生産量の変化をまねき、そのことを通じて新しい適正な在庫水準の達成がはかられるであろう。在庫ストック及び在庫投資による生産平準化機能がこのようなメカニズムに基づくものである場合、販売量と生産量の無条件分散の標本推定値を比較することによってこの仮説の妥当性を検証しようとする従来の実証的諸研究の多くが仮説の妥当性を否定する結果を報告していることは理解しうる。本研究は、確率的ショックの直後における変動規模の尺度としての条件付き分散を用いて、日本及び英国のマクロ・データによる検証を行い、条件付き生産平準化ともいうべき現象がしばしば観察されることを見出した。このことと標準的な国民所得決定理論において意図せざる在庫変動の果たす役割との関連はかなり明瞭であり、マクロ的な所得変動が在庫の不均衡を端緒に生ずるという説明と本研究の結果は整合性があると言えよう。ただ、条件付き生産平準化が妥当しない期間もしばしば観察される。日本経済については70年代までの高度成長期においてはほぼこの仮説が肯定されるように見える反面、それ以後の期間については仮説の成立は限定的なものとなり、英国経済についての計測結果はほぼ一貫して日本の80年代以降に見られる特徴を有している。これらの結果は、生産平準化の経験的検証を経済の成長・循環を説明しうる理論的枠組みを用いて行う必要性を示唆しているように思われる。そこで、Klein=Kosobud流のGreat Ratioモデルに近年の時系列分析の手法を加味することで、GDP・資本ストック・雇用量・物価水準等のマクロ変量の変化率に及ぼす資本係数・平均消費性向・マーシャルのk等のパラメータの条件付き分散・共分散の影響を試論的に検証した。この枠組みは資本係数の概念を在庫と設備のストックに分割し、在庫水準とこれらの2次のモーメントとの関連を検証することによって生産平準化仮説の検証に適用することが出来る。一方、マクロ計量モデル(広島県モデル)における動学的シミュレーションを通して生産平準化を意味する在庫ストックの変動を計測した。尚、並行して多変量ARCHモデルの条件付き分散式を行列指数関数によって定式化し、条件付き分散に非負性を与える試みと従来のARCHモデル(多変量)の推定量の分布を実験的に調べる試みを行った。後者については、プログラムを連続的に動作させる為の初期値の設定方法に依然問題が残っている。

報告書

(3件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 宜名眞勇: "Multipliers, Forecasting and production Smoothing in an Econometric model of Hiroshima Prefecture"広島大学経済学部 Working Paper Series. 2000・04(近刊). 1-35 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 馬場善久: "A Note on an Alternative Parameterization for Quadratic ARCH Models"創価経済論集. 30巻2・3・4号. 249-254 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 宜名真 勇: "Influences of the Conditional Second Moment of Some Macroeconomic Ratios"広島大学経済論叢. 23巻3号. 1-20 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 馬場善久: "ARCHモデル:サーベイ"創価経済論集. 28巻2・3・4号. 53-62 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 宜名真 勇: "An Interpretation of the Conditional Variance" 広島大学経済論叢. 22巻1号. 209-219 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 宜名真 勇: "Conditional Production Smoothing in the United Kingdom and Japan" International Journal of Production Economics. 近刊. (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 福地純一郎: "Subsampling and Model Selection in Time Series Analysis" Biometrika. 近刊. (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 福地純一郎(共著): "On the Bootstrap and the Moving Block Bootstrap for Maximum of a Stationary Proce" Journal of Statistinal Planning and Interence. 76(1-2). 1-17 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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