研究課題/領域番号 |
10877002
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
川野 純一 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10136822)
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研究分担者 |
生沼 勉 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20168842)
菅沼 龍夫 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (60115350)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | sf21細胞 / 昆虫細胞 / ゴルジ装置 / モノクローン抗体 / 免疫組織化学 / CALNUC / nucleobindin / カルシウム結合性タンパク質 / モノクローナル抗体 / N-アセチル-β-グルコサミニダーゼ |
研究概要 |
我々は、昆虫由来のSf21細胞から分離したゴルジ膜分画を抗原としてマウスを免疫し、昆虫細胞のゴルジ装置を認識するモノクローン抗体作製することで、新しいゴルジタンパク質を同定することを試みた。明瞭なゴルジ特異性を示す3つのモノクローン抗体を既に確立し、これら抗原の同定、分析を進めた。 このうち抗体12B1の抗原タンパク質について特に集中して研究を行った。このタンパク質は、その一次構造の解析、免疫組織化学的研究、膜結合性の生化学的分析から、哺乳類のCALNUCホモログであった(Kawano et al.,Eur J Cell Biol,in press)。従って、新しいゴルジタンパク質ではなかったが、CALNUCはゴルジ内のカルシウム濃度調節に直接関与すること、DNA結合活性を持つこと、細胞質にも分布すること、これと極めて類似した細胞膜局在性タンパク質NEFAが哺乳類で見つかっていることなど細胞生物学的に極めて興味深いゴルジタンパク質である(Lin et al.,1998,1999)。昆虫にカルシウム結合性ゴルジタンパク質CALNUCが存在しているという我々の発見によって、l)CALNUCのゴルジでの機能が少なくとも動物界において普遍的であること、2)逆に細胞膜タンパク質NEFAは動物界に普遍的に存在するものではないこと、3)従って、既に配列のみが知られていたC.elegansやDrosophilaのCALNUC類似タンパク質もカルシウム結合性ゴルジタンパク質であること、4)哺乳類と昆虫のCALNUCの構造の比較はCALNUCのゴルジ局在性機構の解明に寄与する可能性があることが示唆された。この研究はCALNUCのゴルジヘのターゲッティング機構や、これとエピトープを共有する哺乳類核タンパク質の研究に発展しつつある。
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