研究課題/領域番号 |
10J10483
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
小出 裕之 静岡県立大学, 薬学研究科, DC2
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | リポソーム / Drug delivery system / siRNA / RT-DDS / スギ花粉症 / Cri j 1 / ポリチオンリボソーム / durg delivery system / Reverse Targeting DDS |
研究概要 |
私は、Reverse Targeting DDS(RT-DDS)を用いたアレルギー・免疫疾患の遺伝子治療法の開発を目的として研究を行ってきた。本研究では、RT-DDS技術によるsiRNAのデリバリーのために、モデル抗原として卵白アルブミン(ovalbumin ; OVA)を用い、製剤開発のための基礎検討、さらに、アレルギー疾患への応用に向け、スギ花粉(Cry j1)を用いたRT-DDS技術の確立を目指して行った。siRNAデリバリーベクターは、ポリカチオン脂質であるdicetyl phosphate-tetraethylenepentamine(DCP-TEPA)を基盤としたポリカチオンリポソーム(PCL)を用いることで、リポソームをプラスに帯電させ、マイナス電荷のsiRNAを修飾する方法を選択した。脂質誘導体PEG-maleimideをリンカー分子とし、OVAをリポソーム外膜に修飾することに成功した。また本ベクターはin vitroにおいてOVA抗体と特異的な結合能を示し、選択的siRNA送達キャリアとしての可能性が示された。また、その有用性はOVA感作マウスにおける脾臓の組織学的解析からも示唆された。続いて、siRNAを用いた遺伝子治療法の確立に先立ち、一般的なリポソーム組成であるDPPC/Cho=2:1のリポソームにCry j 1を修飾し、治療方法の確立を目指した。本研究ではこれまでに、スギ花粉からCry j 1を効率良く抽出・精製する方法を確立し、Cry j 1修飾リポソームがCry j 1特異的lgG1抗体と特異的かつ高い結合性を示すことが明らかにしてきた。今年度は、スギ花粉症モデルマウスを用いたin vivo実験を行った。脾臓内における詳細な局在を検討したところ、Cry j 1修飾リポソームは脾臓内に存在するB細胞集団と共局在していたのに対し、未修飾のリポソームはその周囲にのみ存在していることが確認された。さらに興味深いことに、Cry j 1修飾リポソームはB細胞集団のうち、分化成熟の場として知られる胚中心に多く集積することが明らかとなった。以上の結果より、Cry j 1修飾リポソームはCry j 1特異的免疫細胞群への標的性を有することが示唆され、スギ花粉症根治療法確立への可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コンセプトの基盤が徐々に構築されてきていることから、本研究は一定の進展と成果を挙げている。しかし、siRNAを用いた遺伝子治療の疾患応用までには至っていない。この点でやや進展に遅れがみられるが、基盤技術の確立に伴い急速な進展が見込めると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
Cry j 1修飾リポソームにsiRNAを搭載し、RNA干渉によるスギ花粉症の根本治療を目指す。そのためには、本研究で製剤化に成功したsiRNA搭載OVA修飾リポソームの調製法を参考に、siRNA搭載Cry j 1修飾リポソームの調製を試みる。また、その製剤的な安定性や、ターゲット細胞への有効性をin vitroにおいて証明する。さらに、花粉症モデルマウスでの体内動態や治療効果を検討する予定である。本研究がスギ花粉症の根本治療に繋がることを期待する。
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