研究課題/領域番号 |
11450237
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
永田 和宏 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70114882)
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研究分担者 |
金澤 幸 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80302967)
福山 博之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (40252259)
須佐 匡裕 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90187691)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2000年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1999年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
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キーワード | アークプラズマ / 電気化学 / スラグ / 蒸発 / 屈折率 / arc plasma / electrochemistry / vaporization / slag / ash |
研究概要 |
1.ゴミ焼却灰の溶融固化に熱プラズマを用いる方法が研究されている。熱プラズマによる溶融シリケートの挙動を調べるため、溶融灰のモデル実験としてFeO-SiO_2スラグを用い、移行・非移行型ハイブリッド直流アークプラズマ溶解炉でその溶解挙動を研究した。熱プラズマ炎直下の溶融スラグ表面はくぼみが生成する。表面を中心から周囲へ大きな対流が生じている。 2.FeO-SiO_2にZnOを含有するスラグをAr-O_2ガス熱プラズマで溶解し、亜鉛の蒸発挙動を調べた。表面近傍の熱プラズマ分光分析では、火点近傍から発生する亜鉛の蒸気圧が指数関数的に減少する。その速度は気相中の拡散が律速している。 3.40CaO-40SiO_2-20Al_2O_3(mass%)とこれに10mass%Fe_2O_3を添加したスラグを、同装置を用いて溶解し、蒸発物から前者はSiOガスの蒸発が、後者はSiOガスと酸化鉄が蒸発する。特にスラグ中の酸化鉄はFe^<3+>からFe^<2+>に還元される。 4.同装置内に小型電気炉を設置し、25mol%Na_2O-75mol%SiO_2スラグを溶解した。ルツボ底面には鉄を敷きアノードとし、溶融スラグに直流アルゴンアークプラズマを作用させた。移行型と非移行型の電流をそれぞれ測定した。アノード側でスラグに溶解した鉄イオン総量はファラデーの法則を満足した。すなわち、Na_2O+Fe→FeO+2Na^+2eなる反応が起きている。一方、スラグの組成は実験前後でNa/Si比は大きくなった。この現象は熱力学的なNa_2Oの蒸発現象としては説明できず、SiO(g)として蒸発している。また、この蒸発量はファラデーの法則から計算される蒸発量の100〜1000倍である。熱プラズマ中のAr^+イオンと電子のシャワーが溶融スラグ界面で、SiO_2(slag)+2e(熱プラズマ)→SiO(g)+O^<2->(slag)という電気化学的反応をする他、SiO_2(slag)+2e(熱プラズマ)+2Ar^+→SiO(g)+(1/2)O_2+2Arなる反応で反応が進行していると考えられる。 5.この状態を分光学的に測定する方法として、スラグ表面の屈折率を高温エリプソメーターにより測定した。本年度は装置の設計・作製と高温域におけるアルカリシリケートの表面屈折率を1200〜1850Kの温度範囲で決定した。屈折率から計算される酸素イオン分極率はK, Na, Liの順に小さくなり、また、温度上昇と共に大きくなり、電子を放出し易くなることが分かった。
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