研究課題/領域番号 |
11610366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | (財)元興寺文化財研究所 |
研究代表者 |
小村 眞理 (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (10261215)
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研究分担者 |
木沢 直子 (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (50270773)
井上 美知子 (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (70223279)
植田 直見 (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (10193806)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2000年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1999年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | ループ操作技法 / 4畝平組紐 / 8畝平組紐 / 出土〓甲 / 鎧・胴丸・腹巻 / 製練絹糸 / 威系 / 要素数 / 櫛引八幡宮 / 長谷寺 / 大須二子山古墳 / 威糸 / 絹 / 製錬 / 古墳時代 / 挂甲 / 絹系 / 2段階手順 / 4段階手順 / 甲冑 / 畦目 |
研究概要 |
1.要素数の測定 櫛引八幡宮と長谷寺では、修理時はずされていた威糸を顕微鏡で拡大するなどして、威糸(8畝平組紐)の1条(またはその一本ずつ)を動かし、越数(沈数)を確認したところ以下の要素数であった。糸の種類、撚りの有無などに違いはあっても、要素数はすべて奇数の2倍でありループ操作技法による特徴を示すと考えられた。色柄のない紐の要素数について正確な情報が得られたことは大きな成果であり、今後の修理、復元に有効と思われた。 (1)青森県八戸市櫛引八幡宮 白糸威棲取鎧兜・大袖付(国宝)白糸:38(ループ数19)S弱燃糸 薄紫:38(ループ数19)S弱燃糸 赤糸威鎧兜・大袖付(国宝)赤糸:威42(ループ数21):菱縫26(ループ数13):逆板畝目糸:38(ループ数19) 白糸威肩赤銅丸兜・大袖付(重文)白糸:34(ループ数17)Z強燃糸 赤糸:34(ループ数17)Z強燃糸 紫糸威肩白浅黄鎧兜・大袖付(重文)萌葱:38(ループ数19)S弱燃糸 (2)奈良県桜井市長谷寺 赤糸威鎧:威42(ループ数21) 白糸威鎧:威22(ループ数11)木綿 2.絹の精練 染色について (1)大須二子山古墳出土〓甲の組紐は、断面の顕微鏡写真による観察から精練した絹であると思われた。 (2)櫛引八幡宮赤糸威鎧の組紐は、顕微鏡写真による観察から精練した絹であり、茜で染色していた。 3.復元の試み 復元を試みた櫛引八幡宮赤糸威鎧の威糸1条の繊維(フィブロイン)数はおよそ800本以上であった。糸を拡大してみるとまっすぐな繊維の束であり、古墳出土品にも、同じ質感を持つと思われる絹糸が見られた(飛鳥寺塔心礎出土品東大寺大仏殿出土品)。しかし、現在入手可能な絹糸はねじれや毛羽立ちが目立つものが多かった。絹糸の質感を整えることができれば復元は可能と考えられたが似たような質感を持つ糸の入手が課題である。
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