研究課題/領域番号 |
11640261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岡 眞 (岡 真) 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60144606)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | バリオン / 量子色力学 / カイラル対称性 / ストレンジネス / 格子QCD / QCD和則 / 強い相互作用 / QCD / クォーク模型 / ハイパー核 / 弱い相互作用 / バリオン共鳴 / 線型シグマ模型 / 有限温度QCD |
研究概要 |
カイラル対称性に基づくバリオンとその励起状態の分類とそれらの性質への反映を調べることを主目的に、関連する研究を行い、以下の成果をまとめた。 A.QCD和則によるハドロンの性質の研究:QCD和則を用いて、バリオンおよび負パリティのバリオン励起状態の質量におけるカイラル対称性の破れの役割を解明した。また、SU(3)対称性の元でのバリオン・メソンの結合係数をQCD和則により求め、F/D比がSU(6)を仮定した現象論的な値にほぼ一致することを示した。さらにSU(3)の破れの効果がπの結合の場合は小さいことを指摘した。 B.カイラル有効模型によるバリオンのカイラル対称性の新しい可能性の追求:カイラル対称性のバリオンでの表現について考察し、特に正負パリティバリオンが逆符号の軸性電荷を持っミラーバリオンの性質を調べた。N(1535)励起状態が核子とミラーバリオンになっているとした場合に、実験的にミラーであるかどうかを判定する方法を提案した。 C.格子QCDおよび、梯子QCD近似を用いたハドロンの性質の研究:クェンチ格子QCDを用いて、クォーク対凝縮とクオーク・グルーオン混合凝縮の比を求め、その温度依存性がよく一致していることを示し、カイラル対称性の回復の機構の解明に重要であることを指摘した。梯子近似によるベーテサルピータ方程式を用いて、擬スカラーおよびスカラーメソンに対するインスタントン誘起相互作用の役割を定量的に指摘した。 D.ストレンジネス核物理の研究:バリオン間短距離力におけるインスタントン誘起相互作用の効果を調べ、特に、ハイペロン・核子間のスピン・軌道力において重要であることを示した。ハイパー核のクォーク交換による非中間子弱崩壊が実験データを説明出来ることを示し、同じ崩壊におけるΔI=1/2則の破れが大きい可能性を予言した。
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