研究概要 |
1)細菌の1,2-α-マンノシダーゼ遺伝子,および1,6-α-マンナナーゼ遺伝子のクローニングと発現を行った1,2-α-マンノシダーゼ産生菌Bacillus sp.M-90および1,6-α-マンナナーゼのゲノムDNAそれぞれをSau3AIで部分消化した断片をベクターに組込んだゲノムライブラリーより、コロニーハイブリダイゼーションにより、酵素遺伝子のクローンを得、1,2-α-マンノシダーゼ遺伝子をamn2,1,6-α-マンナナーゼ遺伝子をaman6と命名した。。 2)1,2-α-マンノシダーゼ遺伝子(aman2)は全長5928ヌクレオチドで、1976アミノ酸をコードしていた。Hydropathy plotより、開始Metから37アミノ酸が分泌のシグナル配列であると推定された。aman2は遺伝子およびアミノ酸配列の相同性検索で既知の配列と相同性のあるものはなかった。一方1,6-α-マンナナーゼ遺伝子(aman6)は全長1767ヌクレオチドで、589アミノ酸をコードしていた。開始Metから36アミノ酸が分泌のシグナル配列であると推定された。aman6は遺伝子およびアミノ酸配列の相同性検索で既知の配列と相同性のあるものはなかった。 3)aman2、aman6をを大腸菌で発現させ、菌体破壊後可溶性画分より酵素を単離し性質を調べた。リコンビナント酵素もNativeな酵素と同様に1,2-α-マンノシダーゼでは分子質量19万のサブユニットからなる2量体を形成していた。一方1,6-α-マンナナーゼも分子質量13万でサブユニット6万からなる2量体を形成していた。 4)1,2-α-マンノシダーゼの部位突然変異による触媒部位の検索を試みたが、分子量380kDの大きなタンパク質であることと、いままでに全く知られていない未知の遺伝子で、またそのホモログも報告がなく、触媒ドメインの予想ができない状況でのアラニン・スキャンは困難ということで、断念した。
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