研究課題/領域番号 |
11670469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (30248562)
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研究分担者 |
塚田 順一 産業医科大学, 医学部, 助教授 (20227367)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / 接着分子 / CD44 / ICAM-1 / ヒアルロン酸 / 滑膜細胞 / 細胞周期 / アポトーシス / Fas / T細胞 / サイトカイン / 細胞死 / 細胞増殖 |
研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)は、関節滑膜を病変の主座とする進行性炎症疾患であり、滑膜細胞は、滑膜炎症の進展・遷延化において中心的役割を担う。まず、ICAM-1の発現の相違によるRA滑膜細胞の機能特性を解析した。RA患者滑膜細胞の細胞表面抗原を解析した結果、ICAM-1高発現(ICAM-1^<high>)細胞から低発現(ICAM-1^<low>)細胞まで幅広く分布したので、滑膜細胞をin vitroで亜分類し、各々の細胞画分の機能的特性を解析した。その結果、ICAM-1^<high>滑膜細胞は、p53/p21に誘導されるCdk6等のチロシンリン酸化によって細胞周期が停止し細胞死に至る細胞群で、ICAM-1^<low>滑膜細胞は、極めて増殖活性の高い細胞群であった。即ち、ICAM-1^<low>滑膜細胞は、滑膜の増殖・肥厚の制御に於いて的確な標的となる細胞群である可能性が示唆された。次に、RA滑膜線維芽細胞に過剰発現するCD44の細胞機能特性における役割を解明した。滑膜細胞において特異抗体による架橋や滑膜基質に大量に存在する低分子量ヒアルロン酸によるCD44刺激を介するシグナルは、VCAM-1とFasの発現を誘導してT細胞との接着を増強させ、その結果Fas/FasLを介する細胞死を誘導した。生体内では滑膜細胞は、細胞外基質に囲まれ常時刺激を受容するが、同時に、RA滑膜中の可溶性VCAM-1や可溶性Fas等の分子によりCD44からの刺激を介する細胞死が阻害され、滑膜細胞の増殖、滑膜炎の遷延化、関節破壊などの病態が進行する可能性がある。これらの研究成果は、病態論のみならず、治療戦略の展開においても、RAを考え直す一つの動機を提供することが出来ればと期待される。
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