研究課題/領域番号 |
11671075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
吉田 幸洋 順天堂大学, 医学部, 助教授 (90166950)
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研究分担者 |
仁科 秀則 順天堂大学, 医学部, 講師 (70251270)
新島 新一 順天堂大学, 医学部, 助教授 (20180557)
中村 靖 順天堂大学, 医学部, 講師 (70207926)
伊藤 茂 順天堂大学, 医学部, 助手 (20296867)
桑原 慶紀 順天堂大学, 医学部, 教授 (20010324)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 実験周産期学 / 人工子宮 / 脳室周囲白質軟化症 / 脳性麻痺 / 実験モデル / 胎児 / ECMO / 脳性マヒ / variable deceleration / behavioral state |
研究概要 |
目的 未熟児に発生する脳性まひの原因として重要である出生前発症のPVLの発生メカニズムを明らかにすることを目的として、われわれが開発したヤギ胎仔子宮外保育システムを用いて実験を行った。 方法 妊娠125日前後のヤギ胎仔(満期145日)の子宮外保育を行い実験に供した。子宮外保育開始後48時間以上経過した時点で負荷実験を行った。1回の負荷は15秒間にわたり臍帯静脈に送血される体外循環血液流量を当初は完全遮断、その後はその直前の循環血液量の25%になるように減少させた。その間に膀帯静脈に送血されるはずの血液はその直後から45秒かけて臍帯静脈から胎仔に送血した。以上を一回の負荷として5分ごとに計6回の負荷を行った。負荷終了後は4日間子宮外保育を継続し、安楽死の後、胎仔脳を摘出し、組織学的検索を行った。 結果 実験負荷によって血圧、心拍数、およぴ総頚動脈血流量はいずれも有意に減少し、この間脳波はlow voltageとなった。これらのパラメータの変化はその後の静脈血液の再還流によって速やかに回復した。実験負荷前後において血液ガス所見に有意な変化は認められなかった。実験に用いた11頭中7頭の脳組織において側脳室周囲の深部白質に限局してPVLの初期病変に一致した病理組織所見が確認された。 結論 本実験モデルは出生前発症のPVLの発生メカニズムを解析する上で重要なモデルになりうることが判明した。本実験負荷は脳の虚血・再還流を実現することが確認できた。出生前に発症するPVLの原因として、臍帯静脈の圧迫による脳の虚血・再還流が重要な要因であることが判明した。しかし、同一の負荷を加えても胎仔によってPVLの初期病変に一致した所見が認められた例と認められない例があったことから、PVLの発症には脳の虚血・再還流以外にも何らかの要因が関与している可能性が示唆され、今後のさらなる検討が必要であると思われた。
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