研究課題/領域番号 |
11671371
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 鹿児島大学 (2000) 熊本大学 (1999) |
研究代表者 |
竹島 秀雄 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (70244134)
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研究分担者 |
倉津 純一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20145296)
生塩 之敬 熊本大学, 医学部, 教授 (20028583)
西 徹 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (00264309)
河内 正人 熊本大学, 医学部, 助教授 (70178218)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | NF2 / gene / promoter / cloning / luciferase / methylation |
研究概要 |
神経線維腫症2型(NF2)関連腫瘍においてNF2遺伝子の蛋白質コード領域に遺伝子変異のない約半数の腫瘍の発癌機序を解明するために、NF2遺伝子のプロモーター領域を解析した。まず、BACヒト遺伝子ライブラリーからプロモーター領域を含むクローンをスクリーニングし、単離した。DNAシークエンス解析により塩基配列を決定したところNF2のプロモーター領域はTATAボックスを欠き、GC含量が高く、複数の転写開始点を有する典型的なハウスキーピング遺伝子プロモーターの特徴を有していた。次に、プロモーター領域の様々な欠失変異体を作成し、ルシフェラーゼ・アッセイにより、翻訳開始コドンより-616〜-550の約70bpの領域(cis-acting region)がNF2遺伝子の転写に必須であることを見いだした。同部は、CpG islandの5'上流に位置しており、領域内に含まれるCpG siteは5カ所のみであった。ゲルシフトアッセイでは、cis-acting regionと核タンパク質がDNA-タンパク質複合体を形成し、その結合には70bpのほぼ全体が必要であること、またその結合配列および様式の特異性から新しい転写因子である可能性が示唆された。実際の神経鞘腫症例においてcis-acting regionの遺伝子異常を解析したところ、25例中プロモーターの遺伝子変異は1例も認めず、遺伝子変異の頻度は低いものと考えられた。一方、過半数の症例においてCpG配列の部位特異的メチル化を認め、メチル化はNF2 mRNAの発現レベルとよく相関していた。また、cis-acting regionの部位特異的メチル化や遺伝子変異導入により、ゲルシフトアッセイでDNA-タンパク質複合体の結合が阻害された。以上のことより、NF2の発癌機構においてプロモーター領域のメチル化が(あるいは頻度は低いものの遺伝子変異が)重要な役割を果たしているものと考えられた。
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