研究課題/領域番号 |
11672051
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
於保 孝彦 九州大学, 歯学部・附属病院, 講師 (50160940)
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研究分担者 |
嶋崎 義浩 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (10291519)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 口臭 / 揮発性硫化物 / 硫化水素 / メチルメルカプタン / 舌苔 / 歯周炎 |
研究概要 |
本研究では、新しい口臭治療法の開発を目指して、まず実際に口臭を主訴とする患者の特徴について調べた。口臭の主な原因物質は、口腔内に存在する菌が食物や口腔粘膜落屑上皮等のタンパク質を分解、代謝する際に産生される揮発性硫化物(VSC)であるといわれている。九州大学歯学部附属病院口臭クリニック受診者155名を対象として、呼気中に含まれる各VSCおよびその総量を、各種機器を用いて測定し、官能試験との相関を調べた。 次に歯周病細菌であると考えられているグラム陰性菌のPorphyromonas gingivalisに着目し、本菌のもつメチオニンからメチルメルカプタンを生じる酵素に関する研究を行ったところ、以下の結果が得られた。 1)各口臭検査法による測定結果を比較したところ、官能試験とガスクロマトグラフィーの結果との間に高い相関が認められた(相関係数0.69)。 2)口臭の強さと唾液流出量との間には相関は認められなかったが、舌苔の付着量が多い者ほど口臭は強く、VSCの中では特に硫化水素の量が多かった。 3)P.gingivalisの強毒株とされるW83株やW50株のメチルメルカプタン産生量が、他の株と比較して著しく多かった。 4)P.gingivalisのもつメチオニンからメチルメルカプタンを生じる酵素(L-methionine-α-deamino-γ-mercaptomethane-lyase)をコードする遺伝子をクローニングし、同酵素を欠失した変異株を作製して野生株との比較を行ったところ、変異株ではメチルメルカプタンの産生量が少なく、マウスを用いた実験でも低い毒性を示した。 以上の結果から、メチルメルカプタン産生酵素を抑制することは、口臭予防に有効であることが示唆された。
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