研究課題/領域番号 |
11672135
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
中田 忠 理化学研究所, 有機合成化学研究室, 主任研究員 (50087524)
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研究分担者 |
松尾 剛 理化学研究所, 有機合成化学研究員, 研究員 (10300899)
松倉 弘子 理化学研究所, 有機合成化学研究員, 先任技師(研究職)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ブレベトキシン / 多環状エーテル / ヨウ化サマリウム / テトラヒドロピラン / オキセパン / 収束型合成 / 2方向型合成 / 繰返型合成 / 4環性エーテル / ブレベトキシンB / 海洋産多環状エーテル / 環化反応 / トランス縮環 / アルコキシアクリレート |
研究概要 |
ブレベトキシンBに代表される海洋産多環状エーテル系天然物の構成成分である環状エーテルの高効率的合成法の開発を目的とし研究を行った。我々は2位にアセトアルデヒド基および3位にβ-アルコキシアクリレート基を有するテトラヒドロピラン(THP)にヨウ化サマリウムを作用させると完全な立体選択性で目的とするトランス縮環THPが生成することを見いだした。本反応は繰返し可能であり、即ち、DIBAH還元、チオアセタール化、プロピオレートのマイケル付加、脱チオアセタール化により出発原料と同様な化合物を得、再度ヨウ化サマリウムによる還元的環化を行いトランス縮環三環性THPを得ることができた。更に上記反応を繰返すことによりトランス縮環4環性THPを合成でき、極めて効率的な繰返し型合成法を確立できた。本反応は、オキセパン環の構築にも有効であり、トランス縮環6-7-6-環及び6-7-7-6-環の立体選択的構築、また、ケトン基でも有効に働き、核間メチル基を有する環状エーテルの構築にも成功した。更に、本手法を用いる2方向型合成法の開発に成功した。ついで、収束型合成法の開発を検討し、二つのTHP環をアセチレン基を介して結合し、ジケトンに酸化後、ダブルケタール化により6-6ケタールを得、Et_3SiH還元で、目的とするトランス縮環4環性エーテルを得ることが出来た。本手法はわずか4行程での収束型反応であり最も簡便かつ効率的合成法である。更に、本研究課題で得られた成果を基盤として、ブレベトキシンBのABC環、EFG環、IJK環の合成を検討し、それらの完全立体選択的合成に成功した。以上、本研究課題で開発した多環状エーテル合成法はこれまで報告されている合成法と較べて、立体選択性、効率性、簡便性、収率などいづれの面においても優れた合成法といえ、今後、多環状エーテル系天然物の合成に広く応用されることが期待される。
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