研究分担者 |
宮崎 澄子 千葉大学, 看護学部, 助手 (30302574)
清水 邦子 千葉大学, 看護学部, 助手 (40302575)
石川 かおり 千葉大学, 看護学部, 助手 (50282463)
齋藤 和子 岐阜県立看護大学, 教授 (70106219)
片山 聡子 千葉大学, 看護学部, 助手 (50334181)
田中 道子 千葉大学, 看護学部, 助手 (70344976)
荻野 雅 千葉大学, 看護学部, 講師 (60257269)
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研究概要 |
本研究は,精神病をもつ患者をケアする家族の困難と対処の観点から家族支援システムを開発すること(平成14年度)を目標として,家族の困難-対処モデルの構築(平成11年度),困難-対処質問紙の開発(平成12年度),困難-対処モデルの妥当性の検討(平成13年度)を行った.結果は以下のとおりである. 1.家族の困難-対処モデルの構築には家族へのインタビューを行い,以下の知見が得られた.(1)家族のケア提供上の困難は患者の日常生活面での障害,情報の欠如,精神障害に対する社会的拒否から派生しており,その結果,未来への悲観,共鳴的苦痛,孤立感を感じている.(2)家族はケア知識の獲得,医療継続への関与,患者の能力の活用,障害者擁護をとおして患者の社会性回復と社会的自立を援助するとともに,自身の健康維持にも努めている.(3)患者の生活を保障しようとする家族の「応答性」と,家族自身の生活を保障しようとする家族の「自己配慮」が,「共栄型」「一体型」「自己保存型」「無力型」といった家族のケア提供上の対処様式を説明する. 2.家族の困難-対処モデルの検討には,.困難-対処質問紙を用いた質問紙調査を行った.家族生活の制約を従属変数とした重回帰分析(ステップワイズ法)の結果,家族へのサポートと家族の対処は排除され,家族生活の制約を説明する変数は,(1)ケア資源の不足,(2)患者の問題行動,(3)病気を隠すこと,であることが示された. 3.家族支援システムの開発には,家族支援に関する資料収集や聞き取りを行い,次の知見が得られた.(1)現行の家族支援は,ケア提供者(治療協力者)としての家族の力量を高める側面と,生活者としての家族の生活の質を高める側面から行われている.(2)家族は,市民としての患者の生活と権利を保障する制度や援助を望んでいる.総括として,患者と家族双方の回復と発展に向けた家族支援システムの試案を作成した.
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