研究課題/領域番号 |
11680706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
下田 親 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047290)
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研究分担者 |
中村 太郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30291082)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 分裂酵母 / 胞子発芽 / CdKキナーゼ / サイクリン / キナーゼインヒビター / 細胞周期 / Cdkキナーゼ / 胞子壁 / 細胞極性 / アクチン |
研究概要 |
1.発芽の開始はcAMPシグナル伝達経路により制御される。 分裂酵母の発芽はグルコースの単純溶液中で起こることは知られている。アデニリルシクラーゼ遺伝子などcAMPシグナル経路を突然変異により遮断したところ、発芽の開始が抑制されることがわかった。また、胞子をグルコース溶液中で培養すると、数分以内に一過的なcAMP濃度の上昇が観察された。 2.発芽後成長では肥大成長から極性成長への切り替えが起こる。 発芽中の胞子の形態変化を詳細に調べた。光屈折性の喪失により検出される狭義の発芽は約2時間で完了した。発芽胞子は肥大成長で体積を増加させた後アクチンパッチの局在が起こり、続いて細胞の一端から突起ができ、極性生長へと切り替わった。 3.発芽後の細胞周期は長いG1期が特徴である。 最初のS期開始にCdc2活性が必要かどうかを調べた。温度感受性変異株の胞子を制限温度で培養したところ、狭義の発芽は正常に起こったが、DNA複製と核分裂は見られなかった。ヒストンH1を基質にしてCdc2キナーゼ測定したところ、発芽後約6時間から活性が現れた。Cdc13サイクリンは発芽後、5時間後に検出できた。一方、Cig2サイクリンはCdc2キナーゼ活性の出現時期と一致して蓄積が見られた。Cdc2キナーゼ阻害タンパク質Rum1は未発芽胞子に存在し、S期(約9時間)で消失した。この事実はRum1タンパク質がCdc2キナーゼの活性化とS期の開始を負に制御する可能性を示唆する。 4.胞子表層に局在するタンパク質p23は花粉アレルゲンと類似構造を持つ。 分裂酵母の胞子壁主要タンパク質p23を精製し同定した。p23は既知のisp3遺伝子産物であった。P23/Isp3タンパク質のC末端領域には花粉のアレルゲンタンパク質にも見いだされているアラニンリッチモチーフが存在した、この事実は配偶子の進化を考える上で重要な発見である。
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