研究課題/領域番号 |
11691022
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐藤 尚子 広島大学, 教育学部, 教授 (10215824)
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研究分担者 |
岡田 亜矢 (岡田 亜弥) 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 助教授 (00313982)
江原 裕美 帝京大学, 法学部, 助教授 (40232970)
内海 成治 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (80283711)
大林 正昭 広島大学, 教育学部, 助教授 (30127625)
黒田 一雄 広島大学, 教育開発国際協力研究センター, 助教授 (70294600)
横関 祐見子 JICA, 国際協力専門員
織田 由紀子 アジア女性交流研究フォーラム, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2000年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1999年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 女子教育 / 教育開発 / ユネスコ / 世界銀行 / 教育援助 / 開発と女性 / 発展途上国の教育 |
研究概要 |
1.女子教育の問題は、その社会におけるジェンダーのありようと深く関係していることを明らかにした。たとえば、ジェンダーギャップの少ないと言われているブラジルにおいても、女子教育の現状は問題がある。ジェンダー概念は文化の深層に根ざすため、微妙な形で表出するからである。女子教育の発展はジェンダー規範と関係があり、ジェンダー規範はそれぞれの地域や民族の文化と深い関係がある。しかし、イニシエーションや早婚など女子教育を阻害する民族的文化的背景を絶対視する必要はない。近代中国において女子の伝統であった纏足が消滅した例があるからである。 2.女子教育を促進または阻害する文化のもつ意味は重大であるが、しかし、本研究は、題目にあるとおり、現在の文化的要因を越えて「社会経済開発」を考えようとした。たとえば、フィリピンでは、識字率、就学率、最終学年への到達率、教育の理解度などで性別格差がみられないと報告されている。しかし、フィリピンはまだ途上国経済から脱していない。女性と女子教育が社会経済開発に強い役割を持つことが重要である。経済開発に対する教育の貢献度を男女別で量的に比較することは困難であるし、女子教育と経済開発の関係性は複雑でもあるが、社会経済開発における女子教育の有用性については強い相関関係がある。日本でもナショナリズムの台頭時期に主に社会開発の視点から女子教育が普及した。インドでは女子教育は階層間格差によって増幅され、重層的な格差の構造を形成している。この構造を破るものは、目に見える形で社会経済開発と女子教育が結びつくことである。 3.単なる人権・倫理的視点からの女子教育振興ではなく、社会経済開発という視点を入れた女子教育振興こそ、発展途上国の女子教育を成功に導くものとなると思われる。
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