研究課題/領域番号 |
11694143
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
鈴木 正昭 岐阜大学, 工学部, 教授 (90093046)
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研究分担者 |
細谷 孝充 岐阜大学, 工学部, 助手 (60273124)
渡辺 恭良 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40144399)
野依 良治 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50022554)
松村 潔 京都大学, 大学院・情報学研究科, 助教授 (10157349)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1999年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | PET / プロスタサイクリン / IP_2受容体 / 15R-TIC / 15-deoxy-TIC / 抗アポトーシス作用 / 脳保護作用 / アポトーシス / IP_2 / ^<11>C[CH_3] / 光親和性標識 / 神経突起伸展促進 / PET法 / in vivo / 制癌性PG |
研究概要 |
本研究では、陽電子放射核断層画像撮影法(PET)による脳内中枢型プロスタサイクリン受容体(IP_2)の機能解析を行うため、PETトレーサーおよび特異的探索分子の設計・合成を検討した。まず、IP_2特異的リガンドである15R-TICのPETトレーサー化に向けたポジトロン核高速導入法を検討し、パラジウム触媒による高速メチル化反応の開発に成功した。本法の活用により、ウプサラ大学PETセンターの専用合成装置を使って15R-[^<11>C]TICメチルエステルの合成に成功した。合成した15R-[^<11>C]TICメチルエステル体を赤毛ザル静脈に注射したところ、サル脳内のIP_2受容体の鮮明な分子画像が得られた。さらに、2ポット操作法を考案し、合成前駆体であるスズ体から約2.5ギガベクレルの総放射能量を持つ15R-[^<11>C]TICメチルエステルを再現性よく合成する手法を確立した。これによりサルの約10倍の容積を持つヒト脳に適用できるPETトレーサーを供給することが可能となった。一方、15R-TICが海馬神経細胞において、高酸素、スーパーオキシド、および血清除去等で起こる細胞死に対し顕著な抗アポトーシス作用を示すことを見いだした。また、そのメチルエステル体はラット脳虚血障害モデルにおいて強い脳保護作用を示した。続いて、15R-TICの誘導体15-deoxy-TICを設計し、その合成に成功した。15-deoxy-TICはIP_2への結合の強さは15R-TICの10倍以上であり、海馬神経細胞のアポトーシスを低濃度で完全に阻害した。また、メチルエステル体はラットなどにおいて15R-TICメチルエステルより脳への移行性が良く、ラット脳虚血障害モデルでも強い脳保護作用を示した。さらに、前述の2ポット高速メチル化反応により15-deoxy-TICメチルエステルのPETトレーサー合成にも成功した。
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