研究課題/領域番号 |
11740160
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
石田 卓 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (70290856)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | K2K / ニュートリノ / シミュレーション / パイ中間子生成 |
研究概要 |
平成11(1999)年2月より開始されたK2K実験はその後順調にデータ取得がすすみ、スーパー神岡での観測事象数は平成12(2000)年度の段階で28が得られている。またとりわけ本申請研究に関連してKEK内前置検出器(シンチレーティングファイバー飛跡検出器)において、反応シミュレータ開発の基礎データとなる1GeV領域ニュートリノ反応を、2,924事象観測することに成功した。本申請者はこの観測データを用い、スーパー神岡でニュートリノ振動がない場合に予測される事象数が37.2(+4.6-5.0)の範囲であり、観測値が2σの有意性でニュートリノ振動の証拠を示していることを示した(結果はK2K共同実験のもとPhysical Review Lettersに投稿)。またこれらの事象のうち特に荷電準弾性散乱反応を用いた生成時ニュートリノエネルギー分布の再構成に成功すると同時に、2トラック事象における陽子の角度依存性が、現行のシミュレータでは考慮されていない核内での再散乱に大きく支配されている可能性を示すことに成功、核反応シミュレータの開発調整を進めることが出来た。シミュレータ完成までには至っていない現状であるが、その基礎となるデータ取得解析法は確立し、13年度にさらに倍増した事象を用い、更に必要な開発調整を進める予定である。またプレリミナリーな結果ではあるが本申請者は12年度春・秋の日本物理学会で登壇発表し、また5月カナダで開催された国際研究会CIPANP2000で発表するなど、奨励研究としての成果は十分挙げえたものと考える。
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