研究課題/領域番号 |
11770060
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 名古屋工業大学 (2000) 三重大学 (1999) |
研究代表者 |
吉里 秀雄 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (40303721)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 成長ホルモン / 視床下部 / 脳機能 / 運動 / 遺伝子発現 / 情動 / 高次脳機能 |
研究概要 |
本研究は実験動物を用いて中枢性GH(脳内発現性GH)の基礎的な機能解析を行うことを目的とした。中枢においてGH遺伝子が主として外側視床下部で発現することを見出していることから、本研究では、先ず第一にこの神経野に関連してみられる機能(摂食行動、活動性等や意欲・情緒)とGHの発現および作用との関連について検討した。 Wistar系雄ラット合計80匹を輪回し数を経時的にカウントできる自由回転ケージを用いて飼育し、自発活動量を測定した。自発活動量の違いにより高活動群、中程度活動群、低活動群に分け、それぞれの群での脳内GH遺伝子発現と下垂体GH遺伝子発現および血中GH濃度を測定し、活動量との相関性について比較・検討した。 【結果】1)活動量:80個体の1〜10週目までの1日あたりの活動量は平均4025.04±3180.18回転(m)であり、分散分析を行った結果、統計的有意性はみられなかった。すなわち、同系のラットでも活動量に個体差が生じていることが明らかになった。この結果を基に、活動量の平均値±1000mを境に高活動群(H群;6723±951m)、低活動群(L群;1396±341m)及び中程度活動群(M群;3658±831m)に分けた(H>M>L、それぞれp<0.01)。また、活動量と体重は有意な正の相関を示した。 2)脳内及び下垂体GH遺伝子発現と血中GH濃度:4週間の飼育の後、断頭によりサンプリングを行い脳内及び下垂体GH遺伝子発現と血中GH濃度を測定した。その結果、活動量の高い個体ほど脳及び下垂体GH遺伝子の発現が高い傾向が見られた。しかしながら、統計的有意性は認められなかった。この結果の理由として、遺伝子発現量の解析感度の限界や遺伝子発現時期の差異が生じたことが考えられる。 3)活動量に対する外測視床下部へのGH及びソマトスタチン拮抗剤の慢性投与の効果について検討を試みたが、外科的処置の浸襲の影響により薬物の効果は認められなかった。 【まとめ】本研究の結果から、成長ホルモンが自発活動性を高める可能性があることが予想された。今後、脳局所へGH遺伝子を強制発現させたモデルの解析や遺伝子の多型解析によりこれらの機能がより明らかになると思われる。
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