研究課題/領域番号 |
11770207
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
小切間 美保 同志社女子大学, 生活科学学部, 専任講師 (30269849)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 血液透析患者 / 栄養アセスメント / 安静時エネルギー消費量 / 血清亜鉛濃度 / 血清銅濃度 / メタロチオネイン / 安静時代謝 |
研究概要 |
外来血液透析患者の感染症などの合併症予防を目的に栄養アセスメントを行った。外来血液透析患者78名(男性49名、女性29名)と健常者46名(男性10名、女性36名)を対象に安静時エネルギー消費量(REE)測定を行い男女とも患者のほうが健常者より有意に低いことを認めた。患者群では女性において除脂肪体重との間に関連性が認められた。また多くの患者は標準体重当たり30kcalの指示エネルギー量が妥当であると推測されたが、有職者の多い40、50歳代の男性では35〜45kcal、60歳以上の女性では30kcalでも過剰である可能性が示唆された。以上の内容を論文にまとめ日本透析医学会誌に投稿中である。 次に60歳以上の患者の血清亜鉛濃度平均値は、男性64.9μg/dL(18名)、女性63.2μg/dL(13名)であり基準値(64-1119μg/dL)を下回る者が男性78%、女性69%であった。女性においては、年齢と負の相関関係があり、REEと正の相関関係が認められた。血清銅濃度については興味深い結果は得られなかった。以上、高齢の血液透析患者は低亜鉛栄養状態にあることが示された。亜鉛不足は貧血、免疫機能低下、皮膚炎などを招くことから、亜鉛の補給と血液透析による損失防止など十分な管理が必要と思われた。また、血清亜鉛濃度とREEとの関連からエネルギー代謝と亜鉛の栄養状態との関連が示唆された。亜鉛の動態をより明確にするためELISA法で血清メタロチオネイン(MT)測定を試みたが、MTは61個のアミノ酸(分子量約6000)のうちシステインを20個も含むため抗体作成が困難な蛋白であり申請者が既製した抗体では感度が低く患者の血清MTは十分に検出できなかった。現在抗体を再度作成中である。 上記の成果を下記の通り口頭発表した。 第54回大阪透析研究会(平成12年3月12日)大阪「血液透析患者における安静時代謝量測定」 第45回日本透析医学会学術集会総会(平成12年6月16-18日)福岡「外来透析患者における安静時エネルギー消費量測定の試み」
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