研究課題/領域番号 |
11770233
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 佐賀医科大学 (2000) 熊本大学 (1999) |
研究代表者 |
木林 和彦 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (20244113)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 頭部外傷 / アルツハイマー病 / 老人斑 / 神経原繊維変化 / β-アミロイド / リン酸化タウ / アポリポ蛋白E / 神経原線維変化 / アポリポプロテインE / 神経病理 |
研究概要 |
本研究は、頭部外傷が老人斑構成成分のβ-アミロイドを安定化するアポリポ蛋白Eの発現並びに老人斑中の軸索変性に与える影響を組織学的に検索し、頭部外傷がアルツハイマー型病変の増悪因子であることの証明を目的とする。 老人(75歳以上)の法医解剖16例(頭部外傷7例、非頭部外傷9例)の脳について、ホルマリン固定、パラフィン包埋ブロック標本を作成した。脳挫傷の好発部位である側頭葉底部と脳挫傷の生じ難い後頭葉の組織切片において、HE染色、髄鞘染色並びに鍍銀染色を行い、さらに、β-アミロイド、リン酸化タウ並びにGFAPに対する抗体を用いた免疫組織化学を行った。 その結果、瀰漫性老人斑、老人斑、神経原繊維変化、軸索変性を形態的に観察することができた。しかし、頭部外傷群と非頭部外傷群を比較したところ、老人班と軸索変性の形態と個数に明らかな相違は無かった。現在、アポリポ蛋白Eの免疫組織化学を行い、頭部外傷とアポリポ蛋白E発現量との関係を調査している。 なお、今回検討した16例の内、生前にアルツハイマー病と臨床診断されていた8症例は、診断されていなかった症例よりも、側頭葉底部の老人斑と神経原繊維変化の個数は有意に多く、特にβ-アミロイドの免疫組織化学では多数の老人斑が検出された。しかし、アルツハイマー病の8例中3例は既存の神経病理学的診断基準を満たさなく、法医解剖例におけるアルツハイマー病の神経病理学的診断基準を考案する必要性が示唆された。
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