研究課題/領域番号 |
11877166
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
谷本 光音 名古屋大学, 医学部, 講師 (10240805)
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研究分担者 |
横澤 敏也 名古屋大学, 医学部, 医員
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 免疫療法 / 細胞療法 / 細胞障害性 / Tリンパ球 / 抗体療法 / イムノビーズ / アポトーシス / Fas-FasL / 人工細胞 |
研究概要 |
細胞傷害性Tリンパ球の機能を人工的な形で作成することは、今後の細胞療法の可能性を広げる画期的な発想である。今回の研究ではまず細胞の代用として人工的なビーズを用いて、これの表面に抗体を固定させた。具体的には抗Fas抗体を一定量の濃度で固定させ、各種の白血病細胞株を標的にFas-Lを介した細胞傷害性を検討した結果、DNA断片でみた標的細胞のアポトーシスが認められた。ついで細胞傷害を実際に顕微鏡下で観察したところ、標的細胞表面にビーズの付着とともにアポトーシスに陥った細胞像が多数認められた。これらのことから、少なくともビーズの付着により細胞死が誘導されていることが確認された。さらにこの系にALLに対する抗CD10抗体やAMLに対する抗CD33抗体を添加したところ、標的細胞のアポトーシスはより高度に誘導された。もちろん人工的なビーズによるこうした細胞作用には限界があり、一旦死滅した細胞から抗体をコートしたビーズは次の細胞に効果を示さないこと、細胞自体が抗原抗体反応によって増殖しないことなどの点では不利であるが、任意の細胞表面抗原に対して細胞傷害性を発揮出来る点ではこの系は優れており、今後いかに効率よく、短時間での効果発現を得るか、そのための固定法や抗体の至適濃度等につきさらに検討が必要である。また、さらには実際に生体内でこうした人工細胞が機能を発揮出来るか否かにつき動物実験での検討・解析を行い、臨床応用に向けた研究を行う必要がある。 将来的にはさらに人工的に細胞傷害性を有する様々な系の免疫ビーズを作成し、標的細胞を腫瘍細胞一般に広げた研究を行うことも予定している。
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