配分額 *注記 |
46,680千円 (直接経費: 41,700千円、間接経費: 4,980千円)
2002年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2001年度: 19,760千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 4,560千円)
2000年度: 25,100千円 (直接経費: 25,100千円)
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研究概要 |
火山噴火におけるマグマの減圧・脱ガス過程において,マグマの発泡と結晶作用が起こり,その結果,メルトの組成や溶岩組織に変化が起こる.このことに注目し,本研究では,噴出物の岩石学的解析によって,噴火時のマグマの挙動を解読することを目的とした.本研究では,三宅島,有珠山,雲仙普賢岳の噴出物を扱った. 2000年三宅島の噴出物については,8月初旬までは玄武岩質安山岩マグマが8月中旬以降は斑晶質の玄武岩マグマが噴火に関与したことが分かった.地下マグマの酸素分圧を見積もる方法を開発し,2000年噴火の噴出物に含まれる斜長石中メルトインクルージョンの酸素分圧がNNOに近いことを見積もった.全岩化学組成が異なる2種類の噴出物のメルトインクルージョンには,主成分元素には顕著な差がなく,揮発性成分においても大きな組成の差が認められなかった.また,噴出物の粒度分析の結果からは,今回に噴出物は破砕度に対して分散度が小さいことが特徴であり,水が関与した典型的なマグマ水蒸気爆発の破砕現象であることが示された. 有珠山の2000年噴火の軽石の研究から,マグマの上昇速度がある程度推定され,2回の発泡現象が起こっていたことが指摘される.発泡の異なるステージで冷却作用が起こったモデルが提案した.マグマの脱ガスと破砕現象とは密接な関係にあり,破砕前の気泡の構造と破砕後のそれとは区別して取り扱う必要があることになる. 雲仙普賢岳の1991-95年噴火においては,石基の結晶度や発泡度から推定されるマグマの脱ガスの割合が,噴火時に観測された低周波地震の発生深度と相関性がある.ここでは,低周波地震が脱ガスに伴う発泡マグマの破砕やその時に起こるガスの逸脱に関係していることが提案された.このことから,大きな減圧速度に伴う大きな歪み率によって,より多くの水を含んだメルトが破壊されうるモデルが提案された.
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