配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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研究概要 |
分裂酵母のカルシニューリンは、その機能を抑制しても,野生株では生育には影響がない。本研究では,免疫抑制薬の存在下において致死となる変異体を多数単離し,これらの遺伝子を同定,解析した。 本研究では,カルシニューリンと機能的に関連する遺伝子として,(1)細胞質分裂を制御するseptation initiation network (SIN)経路の中心的役割を担う蛋白質キナーゼCdc7を同定した。Cdc7は生育に必須で,spindle pole bodyに存在し,変異により中隔を欠いた長い細胞ができる。我々が単離した変異型Cdc7は制御ドメインに変異を有し,spindle pole bodyへの局在能力を失っていた。更に,Cdc7以外にもSIN経路を構成すると考えられる遺伝子の変異全てが免疫抑制薬に対する感受性を示すことが明らかになった。(2)細胞内輸送に関わる低分子量G蛋白質Ypt3もカルシニューリンと機能的に関連する遺伝子として単離した。Ypt3は生育に必須で,その温度感受性変異体では,高温とカルシニューリン活性阻害により異常なゴルジ体が蓄積した。本研究により明らかにされた遺伝学的関係は,カルシニューリンが細胞質分裂の制御にかかわる可能性を強く示唆している。(3)以上の他,ミオシン重鎖をコードする遺伝子myo3,GPIアンカー合成遺伝子its8,PI(4)5キナーゼits3もカルシニューリンと遺伝学的な関係を持つ遺伝子として単離された。 以上単離された遺伝子の全てはヒトにまで保存されており,これらの異常がヒトでも免疫抑制薬に対する感受性異常を引き起こす可能性が示唆された。
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