研究課題/領域番号 |
12470290
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
清水 惠司 (清水 恵司) 高知医科大学, 医学部, 教授 (50162699)
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研究分担者 |
豊永 晋一 高知医科大学, 医学部, 助手 (90335927)
中林 博道 高知医科大学, 医学部, 助手 (70346716)
朴 啓彰 高知医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60333514)
池中 一裕 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (00144527)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2000年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | Glioma / Retrovirus Vector / Promoter / MBP / Gene Therapy / SAGE / MAGE-E1 |
研究概要 |
1992年に米国で初めて実施された悪性グリオーマに対する遺伝子治療は、SV40プロモーターを組込んだ非特異性レトロウイルスベクター産生(マウス)細胞を患者の脳腫瘍内に直接移植したもので、異種移植免疫反応の誘発のみならず、正常分裂細胞にも重篤な副作用が生じる可能性を有していた(Ram Z, et al.: Nature Med, 1997)。それゆえ我々は、ミエリン塩基性蛋白(MBP)遺伝子発現プロモーターで自殺遺伝子(HSVtk)を制御した脳特異的遺伝子治療の基礎的研究を繰り返してきた(J Neurosci Res 36,1993)。レトロウイルスベクターの低導入効率に関しては、Polyoma ori発現遺伝子をレトロウイルス産生パッケージング細胞に導入することで高力価ベクターを入手し得た(Hum Gene Ther 9,1998)。この高力価レトロウイルスベクターを用いたin vivo遺伝子治療にてマウスグリオーマモデルを完治せしめた(Gene Ther 5,1998; Gene Ther 8,2001; Human Cell 4,2001)。平成14年12月2日には、このベクターのコモンマーモセット(霊長類)に対する安全性試験が文部科学大臣の確認実験として承認された。現在我々は、高力価脳特異的レトロウイルス産生細胞(マスター細胞)の冷凍保存、およびこのマスター細胞に対する各種in vivo安全試験を遂行するとともに、霊長類に対する安全試験用ベクターの抽出を行い、コモンマーモセットの脳内に移植することでin vivo安全試験を実施し、平成16年度より遺伝子治療臨床実験を計画している。さらに、各グリオーマのMBP遺伝子発現には差を有するので、悪性グリオーマ普遍的発現遺伝子をSAGE(Serial analysis of gene expression)法を用いて検索したところ、その候補の一つとしてMAGE-E1遺伝子を同定した(Cancer Res 61,2001; Gene 277,2001)。このMAGE-E1遺伝子の発現プロモーターを同定し、このプロモーターを組み込んだ新しいグリオーマ特異的遺伝子治療の基礎的研究を現在遂行中である。また、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」に従って、このMAGE-E1遺伝子発現とグリオーマ患者の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)との相関性についても、患者本人の同意を得たうえで検索を進めていく予定である。
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