研究分担者 |
野瀬 正照 高岡短期大学, 産業造形学科, 教授 (70269570)
三船 温尚 高岡短期大学, 産業造形学科, 教授 (20181969)
菅谷 文則 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (10275175)
清水 康二 奈良県立橿原考古学研究所, 主任研究員 (90250381)
宮原 晋一 奈良県立橿原考古学研究所, 総括研究員 (90250373)
清水 克郎 (清水 克朗) 高岡短期大学, 産業造形学科, 講師 (70235646)
小堀 孝之 高岡短期大学, 産業造形学科, 教授 (30279856)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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研究概要 |
古代青銅鏡の材料学的調査を行うとともに,模造鏡を作製し,その熱処理と金属組織,機械的性質について実験と検討を行った.また,これらの研究・調査の過程で,古代青銅鏡(器)の土中腐食に微生物が関与している科学的根拠を掴んだので,この方面の研究・調査も行った.得られた結果の主な内容を次に列記する. 1.古代青銅鏡の一般的な合金組成に合わせて,Cu-23mass%-5mass%Pb合金の模造鏡の材料学実験を行った.鋳造のままの試料に比較して,例えば720℃で溶体化処理を行った試料では破壊強度も高く,靭性も改善することが明らかとなり,古代の青銅鏡においても熱処理が施されていた可能性が高いことを明らかにした. 2.古代青銅鏡の顕微鏡観察により調査を行った25面の青銅鏡のうち80%以上の青銅鏡に熱処理が施されており,一部に金属組織観察から判断して鋳造のままの青銅鏡も存在することが明らかとなった. 3.土中腐食を受けた青銅鏡では内部深くまで腐食による複雑な変質層が存在し,これらの化合物を種々の機器分析によりその正体を明らかにした. 4.青銅鏡(器)の腐食に微生物が関与している根拠を掴み,機器分析による微生物腐食を裏付ける結果を得るとともに,腐食層からの試料を採取してDNA検査を行った結果,2種類の微生物が存在することを確認した. 今後の課題として,1.古代青銅鏡(器)に熱処理が施されていたか否かを確定する。また熱処理の目的を明らかにする.2.青銅器の土中腐食に微生物が関与しているか否か,この疑問点を腐食実験によって検証する.
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