研究分担者 |
豊田 順一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00029456)
柴田 史久 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (80314425)
馬場口 登 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (30156541)
床井 浩平 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (70188746)
稲葉 晶子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10304049)
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研究概要 |
認知科学において注目されているアフォーダンス概念を映像による各種情報表示への応用を目指し,まず照明に関する物体表示に焦点を当て,これに関連する情報表示技術の改良を図るとともに,影のもつアフォーダンスの提案や機能と形状との認知における役割の解明と実験を試みた.さらにアフォーダンス強調という新しい概念を導入し,標識や境界線などを一種の仮想現実感と捉えることができること明らかにした. 初年度にはまず照明条件の変更,とくに鏡面反射成分の変更が不可能とされていたIBR(Image Based Rendering)について,照度差ステレオの原理に基づき面素方向を算出する枠組みを用い,この問題に対し理論的な基礎をもつ解を示した。第2年度には拡散反射・鏡面反射成分の分離精度の向上を図り,その結果とカメラの受光感度特性を考慮に入れることにより面素方向の算出精度の向上を達成した.画像生成に関連して,有意な面積をもつ光源の粗い面における反射光が示す特有の状況を説明する機構を提案した.またスキャンライン法の描画速度の向上に関する改良法を提案した. 映像中の影は対象と一つの面などと接触あるいは近接度等の空間的な相互関係を表現するために有効である。これを影の空間認識に対するアフォーダンスと見なすことができることを示した. この問題と関連して対象物認識における形状と機能との優位性に関する実験システムを作成した.しかし時間的な制約からその活用には到らなかった.最後にアフォーダンス強調の概念を提案した。これにより,実世界に備わるアフォーダンスを標識や白線などで明示し,その存在を強調するものと捉える新たな枠組みの仮想現実感の提案である.
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