研究分担者 |
佐藤 平通 並木精密宝石(株), オプト商品グループ, 設計セクションリーダー
依田 秀彦 宇都宮大学, 工学部, 助手 (30312862)
松村 和仁 宇都宮大学, 工学部, 教授 (70005297)
佐藤 平道 並木精密宝石(株), オプト商品グループ, 設計セクションリーダー
大石 勇 (株)モリテックス, オプトコムカンパニー・デバイス開発グループ, グループリーダー
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研究概要 |
本研究はDWDMシステムの基礎になる光波整合技術の研究開発を行うもので,励起用LDと光ファイバとの完全結合に近いファイバ形結合方式技術を開発することを目標とした。本研究では,超高出力半導体LDの光放射特性の評価を行い,その結果を踏まえて(1)先端くさびGI型レンズドファイバの開発,(2)先端くさび2段GI型レンズドファイバの開発,を順次行った。新しく開発したレンズドファイバを利用して従来法より大幅に優れた結合効率を得ることに成功した。以下にその成果を要約する。 (1)先端くさびGI型レンズドファイバの開発 光ファイバ増幅器用の次世代超高出力半導体レーザ(LD)では,LD端面での発光強度分布のアスペクト比(縦横比)が40程度と大きく,さらに非点隔差も100μm以上と大きい。そのためLD出力の光ファイバへの結合損失は一般には大きくなるが,先端くさびGI型レンズドファイバを使用すると結合損失は2.5dB程度に小さくなる。レンズドファイバを試作し実験的に5.8dBの結合損失を得,さらにLDとレンズドファイバの位置決めトレランス特性の評価を行った。その結果,トレランス特性が理論的な予測とほぼ一致することを確認できた。 (2)先端くさび2段GI型レンズドファイバの開発 非点隔差をより効果的に補償できる構造として前年度提案した先端くさび2段GI型レンズドファイバを試作し,発振波長980nmのLDとの結合実験を行った。実験の結果,結合損失が2.5dBという良好な特性を得ることができた。さらにLD端面とレンズドファイバ先端との距離(作動距離)を67μmと広くできることが分かった。この広い作動距離は,LDとレンズドファイバのアセンブリ時に有利に働く。続いてLDとレンズドファイバとの位置決めトレランス特性の評価を行い,トレランス特性が理論的な予測とほぼ一致することも確認できた。この成果は27thECOCの国際会議で発表され,多くの関心を得た。
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