研究課題/領域番号 |
12555095
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
白石 和男 宇都宮大学, 工学部, 教授 (90134056)
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研究分担者 |
佐藤 平道 並木精密宝石(株), オプト商品グループ, 設計セクションリーダー
依田 秀彦 宇都宮大学, 工学部, 助手 (30312862)
松村 和仁 宇都宮大学, 工学部, 教授 (70005297)
大石 勇 (株)モリテックス, オプトコムカンパニー・デバイス開発グループ, グループリーダー
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キーワード | 光通信 / レンズドファイバ / GIファイバ / 光ファイバ / 光ファイバ増幅器 / 半導体レーザ / 結合損失 |
研究概要 |
(1)超高出力半導体レーザの光放射特性の評価 光ファイバ増幅器用の次世代超高出力半導体レーザ(LD)用の結合系を開発するために、LDの光放射特性を詳しく調べた。その結果、LD端面での発光強度分布のアスペクト(縦横比)は40程度と大きいが、放射角の縦横比は3程度であることが分かった。これは、LDの非点収差が176μmと極めて大きいことによるものと判明した。これにより、結合系は大きな非点収差に対応できる構造が不可欠であるという知見を得た。 (2)先端くさびGI型レンズドファイバの開発 非点収差の大きなLDに対応できるため、先端くさびGI型レンズドファイバの構造パラメータの探求を解析的・数値的な手段により行なった。この結果、市販のGIファイバを用いた場合、結合損失が2.5dBにできることが分かった。共同研究者の有する加工技術によりGIファイバ先端をくさび形に加工してレンズドファイバを試作した。ただし、現有GIファイバの構造が最適値から異なっていたため、実験的には5.8dBの損失であった。新しいGIファイバを購入して再度試作実験を行なうことが今後の課題である。 (3)先端くさび2段GI型レンズドファイバの開発 非点収差をより効果的に補償できる構造の探求を行なった。光波の伝搬特性を詳しく調べた結果、GIファイバを二段型にすることで解決できることが分かった。先端をくさび形にしたGIファイバと単一モード光ファイバの間に、集束係数のことなるもう一つのGIファイバを挿入する方式である。設計論を明らかにし、さらに試作を行なって実験的な検証をすすめた。その結果、結合損失が2.7dBという良好な特性を得ることが出来た。理論的には1dB程度が期待できるため、今後さらに低損失化を目指したい。
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