配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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研究概要 |
【研究目的】 本研究では,フッ素やりんを含んだ地下水,河川水等の生活用水浄化を最終目的とし,未利用資源である貝殻や魚骨などの水産業廃棄物を原料とした水質改善にもちいる機能性材料の開発,フッ素およびりんの資源化プロセスの構築を行った。 【成果の概要】 (1)りんの資源化反応:無電解めっきプロセスにおいて不可欠なりん化学種である次亜りん酸は,めっきの過程で酸化されて亜りん酸に変化し,その処理・再利用が困難となっている。そこで,アルカリ性において酸素を用いた自動酸化反応を用いることにより,未利用亜りん酸塩を正りん酸塩に変換する要素技術を新規に開発した。 (2)フッ素の資源化反応:歯科学の分野で虫歯予防反応として広く知られている,りん酸カルシウムとフッ化物イオンの反応を応用し,溶液中の低濃度フッ化物イオンの濃縮・回収法を検討した。結果,りん酸カルシウム塩の一つであるりん酸水素カルシウム二水和物を用いることにより,溶液中に含まれる数十〜数百ppbという極めて低濃度のフッ化物イオンをフッ素アパタイトとして濃縮,固定できることを明らかにした。 (3)エコテクノロジー的フッ素除去システムの構築:用水中フッ化物イオンの除去法として広く用いられている活性アルミナを用いた吸着法について,その問題点を環境調和(エコテクノロジー)性に基づいて解析した。その結果,回収されたフッ化物イオンが有効利用されていないことが本法の最大の問題点であるとの結論を得,回収されたフッ化物イオンをフッ素資源であるフッ化カルシウムとして回収するプロセスを構築した。 (4)水産業廃棄物を用いた未利用りん固定プロセス:化学平衡論的解析に基づき,貝殻の主成分である炭酸カルシウムを酸性りん酸溶液に作用させることにより,液中のりんを90%以上の効率で回収しながら、任意のりん酸カルシウムを合成できるプロセスを見いだした。
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