研究概要 |
我が国では、未だ「史料管理学」としての学問分野が確立されていないことに鑑み、独自の学問分野を構築することは、各所蔵先の史料保存の現状からみても急務の課題である。そのためには、これまで展開されたきた我が国の史料保存運動や文書館設立運動を踏まえながら、これらに関する文献情報の調査・収集を多角的に行うと同時に、それをもとにデータシートを作成し、さらに迅速な検索システムを構築して、広く提供可能なデータベースを作成することは、最も基礎的でかつ不可欠なテーマであり、本研究が目指す目的である。 平成12〜14年度の3か年で、当該研究に関する文献情報の調査・収集は、秋田県公文書館、宮城県公文書館、福島県歴史資料館、新潟県立文書館、愛知県公文書館、愛知県図書館、京都府立総合資料館、和歌山大学図書館、和歌山県立文書館、岡山県総合文化センター、広島県立文書館などを対象に行った。この成果を基に、「史料管理学文献データシート」を約1,700件作成し、データベースを構築した。データベースは、リレーショナル・データベースソフト(最も汎用性の高いアプリケーションソフトであるExcel)を用いることとし、これまでにデータ入力フォーマットの策定作業を終えた。 構築したデータベースは、文献の典拠となった「文書館学文献典拠データベース」(書名、書名ヨミ、機関名、府県コード、初号、終号、終号年、新着、欠号、注記、ISSN、IABN)及びメインである「文書館学文献データベース」(タイトル1、タイトル2、編著者1、編著者2、編著者3、誌名1、誌名2、巻次、出版地、出版年、頁、一般注記、内容、検索コード1〜5、ISSNコード)のふたつである。今後は、できるだけ早期にデータの公開を図る予定である。
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